パパイヤ鈴木、土屋アンナがスペシャルゲストで登場 パパイヤ鈴木、土屋アンナがスペシャルゲストで登場

3月28日(木)、ブロードウェイミュージカル『ヘアー』の一風変わった記者発表イベントが行われた。

ブロードウェイミュージカル『ヘアー』チケット情報

報道陣と、主催者が招待したファンで埋まった渋谷のラウンジレストラン。ゲストのパパイヤ鈴木と土屋アンナが店内のステージに現れ、いまや世界的スタンダードになっている名曲『アクエリアス』が、実は『ヘアー』のナンバーだったとは知らなかった……という話をしていると、それまでフロアでドリンクを運んでいたカーリーヘアーのウエイトレスが、突然、♪ウェン・ザ・ムーン~ と『アクエリアス』を歌い出した。場内の視線がいっせいに彼女に注がれたのもつかの間、やにわに他の4人のフロア係も客席に語りかけるように歌い出して、いつしか店内は♪ジ・エイジ・オブ・アクエリアス~ の大合唱に!

こんな登場のしかたで度肝を抜いた5人は、実は来日公演の主要キャストたち。「劇場でも私たちがつねにみなさんの側に近寄って、時には頭の真上で歌ったり踊ったりするのよ(笑)」と、『アクエリアス』のメイン・ボーカルでディオンヌ役のダニエル・ファルトン。つねにキャストが客席に出没し、観客を巻き込みながらムーブメントとして盛り上げて行く『ヘアー』という作品の持つユニークなコンセプトを、記者発表の場でも体感してもらおうという、凝った演出だった。これにはゲストの二人も「迫力が違いますね」と絶賛。「ぜひ生(ライブ)で見てほしい」とアピールした。

ベトナム戦争に反対し、愛と平和を求め、自由を謳歌するために闘った'60年代のヒッピーたちの姿を描く『ヘアー』は、初演から40年を経た2008年に、最強スタッフによる新たな演出でブロードウェイに再登場。イラク戦争の後味の悪さや、「チェンジ」を叫んでアメリカに変革をもたらそうとしたオバマ人気に湧く大統領選の熱狂など、時代の空気とみごとに合致して、再び大ムーブメントを巻き起こした。今回の来日公演はその最新版の上演で、意外にも『ヘアー』初の来日公演でもある。

この後タイトル曲の『ヘアー』や『レット・ザ・サンシャイン・イン』を歌い、各テーブルを回って記者やファンと懇親したキャストは、日本のヒッピー発祥の地(!?)渋谷の街に繰り出して、来日公演成功祈願をしたり、ゲリラライブを行ったりと、神出鬼没。『ヘアー』の魅力を、まさに身を以て体現し、強烈なインパクトを放って、来日公演に大きな期待を抱かせた。

公演は5月29日(水)から6月9日(日)まで、東京・東急シアターオーブにて。チケット発売中。

取材・文:伊達なつめ