写真左から、大川五月監督、神尾佑、西畑澪花、中嶋朋子、平畠啓史 写真左から、大川五月監督、神尾佑、西畑澪花、中嶋朋子、平畠啓史

4月1日、Jリーグと国際短編映画際『ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)』がタイアップして制作されたショートフィルム『旅するボール』の完成披露記者会見が行われた。JリーグとSSFF&ASIAのタイアップは2011年にスタート。「フットボールプログラム」を創設し、2013年も継続して実施されるが、今回満を持して制作となった。

大東和美Jリーグチェアマンが「Jリーグは御存じの通り、スポーツを通じた豊かな社会・文化作りを目指している。今回は映像を通じてスポーツの持つ力を多くの方に届けるという、新たなチャレンジを試みました」と語れば、別所哲也SSFF&ASIA代表も「このフィルムが世界で賞を獲ってほしい。この作品をきっかけに世界各国のリーグでショートフィルムを作っていってほしい。Jリーグ発、SSFF&ASIA発のムーブメントを起こしていければと思っている」と期待を寄せる。

ストーリーは震災で家も仕事も失った父親を喜ばせようと、少女が父のかつての仲間たちを訪ね歩き、サッカーボールへ寄せ書きをしてもらう心温まるもの。舞台は仙台。家族の絆とともに、ベガルタ仙台のサポーターたちの風景も描かれている。

大川五月監督は「私は東日本大震災が起こった時には海外にいた。あの後何が起こったのか、みなさんがどうしているのかなど知らないことが多いと思うので、それを考える機会になればと思い、ストーリーを考えました」と振り返る。

キャストのコメントは以下の通り。「初めての主演で、一生懸命がんばったので、そこを見てほしいです」(主役・西畑澪花)、「ショートフィルムですけれど、サッカーファンと映画ファンの懸け橋になるような作品になれるといいなと思います。この作品を見て、家族を大切だなと温かい気持ちになってもらえたらとうれしいです」(父親役・神尾佑)、「20周年って凄いことだけれど、私の中ではJリーグはずいぶん前から当たり前のようにあるものになっていたので、『まだ20年だったっけ?』と思いました。それだけ自分の中にも根付いているんだなというのが正直な感想でした」(母親役・中嶋朋子)。また、サッカー番組のMCとしても知られる平畠啓史は「サポーターのみなさんとも話しましたし、やさしくしてもらいました。仙台のサポーターの方はオープンで明るいですし、僕も大好き。震災後に全国のサポーターから物資が集まったのは、そういった仙台サポーターの人柄があったからかなのかなと思います」と語った。

『旅するボール』は、5月23日(木)から6月16日(日)にかけて開催される『ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2013』にて上映される。詳細はこちら。www.shortshorts.org