『ブルーノのしあわせガイド』 (C)2011 I.B.C. Movie

自由気ままに暮らしていた独身男が、ある日突然、自分の息子だという若者と同居生活をすることになったら? イタリアで大ヒットを記録した『ブルーノのしあわせガイド』が13日(土)より日本公開される。そこで、本作が初監督作だというフランチェスコ・ブルーニの最新コメントが届いた。

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ブルーニ監督は、イタリア映画界で長らく脚本家として活躍してきた人物で、50代にして初めてメガホンをとった。「最初は自分で撮ろうとは思ってなかった。脚本を書いて別の監督に渡そうと思ったけれど、あまりに個人的な内容だったため、プロデューサーから自分で撮ってみないか?と言われて。こんな機会は二度とないかもしれないと思って受け入れたんだ」。

本作の主人公は、ローマでひとり暮らしを楽しんでいる中年男・ブルーノと、15年前にできた自分の息子だという青年ルカ。映画はふたりが同居生活を続ける中で、ブルーノが父として人として変化を遂げる過程を描いていく。「父は子を助けようとするけれども、子供が父を助けて、実は父が成長しているんだ」と話すブルーニ監督にも子供がいる。「子供たちからヒントを盗んで、そのままセリフに使ったのもあるし、話し方やユーモアの感覚をとった。ふたりとも脚本も読んだし、映画にも出ているんだ。とても貢献してくれたよ」。

ちなみに本作の原題“Scialla!(シャッラ)”は、ローマの若者言葉で“落ち着け、リラックス”といった意味をもつ。「この言葉がもっている“穏和で平和な生きかたでいこう”というニュアンスが好きだ。この言葉を私の映画を形容する“コメディ”と結びつけてじっくり考えるうちに、“コメディだけど落ち着ける”典型的な内容の映画にふさわしいと思ったんだ」。

「最初は商業的な成功はまったく考えていなくて、私的な要求から出てきた映画だった」とブルーニ監督は話すが、彼が実生活で感じてきた父子のドラマと、愛されるコミカルなキャラクター、そしてリラックスした語りは多くの観客から支持され、イタリアのアカデミー賞ではヤング・ダヴィット賞&新人監督賞をダブル受賞。イタリア映画批評家協会賞も受賞するなど高評価を集めている。

『ブルーノのしあわせガイド』
4月13日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
※公開初日は、10:50の回上映終了後、タレントで料理研究家のベリッシモ・フランチェスコ氏を迎えてのトークショーあり