製作会見の様子

山田洋次監督の82作目となる監督最新作『小さいおうち』の製作発表会見が15日、東京・成城の東宝スタジオで行われ、山田監督をはじめ、主演の松たか子、共演する吉岡秀隆、黒木華、片岡孝太郎、妻夫木聡、倍賞千恵子ら主要キャストが勢ぞろいした。

『母べえ』『東京家族』など近年も意欲的に作品を発表し続ける山田監督が、中島京子氏の直木賞受賞小説を映画化。平成を生きるひとりの青年が、亡くなった女性が遺したノートを通じて、昭和10年代、東京郊外に建つ赤い三角屋根の“小さいおうち“で繰り広げられた“秘愛”の物語に触れていく。

「原作を読み終え、すぐに中島さんに手紙を書いた。何ともいえない色気の向こうに、ドキドキする不安や罪が隠されている。こうしたタイプの作品は初めて」(山田監督)。3月1日にクランクインし、現在は3か月に及ぶ撮影の折り返し地点だ。実力派がそろうキャスト陣を前に「俳優が持っている思いやムードをキャメラでキャッチできるかが大事」と決意を新たにしていた。

舞台となる平井家の奥様を演じる松は、『隠し剣 鬼の爪』以来9年ぶりの山田組で「とても幸せです。今は作品が生まれる前の苦しみを感じつつ、毎日何かが起こる山田監督の現場を味わっている」とコメント。吉岡にとっても山田組は久々で「何も変わらないことに驚いているし、そこが魅力。山田組特有の匂いを感じながら、もう一度奮闘している日々」と思いを語った。

また、5月から撮影が始まる平成パートに出演する倍賞と妻夫木は「私も山田監督の作品は久しぶり。楽しく撮影できれば」(倍賞)、「(『東京家族』に続き)2作品連続で山田監督の作品に出演できるのは光栄。今回も厳しくも温かい演出を受けて、勉強し、人間として成長できれば」(妻夫木)と意気込んだ。同日、会見登壇者に加えて、橋爪功、吉行和子、中嶋朋子、小林稔侍、夏川結衣らの出演が発表された他、音楽を『東京家族』に続き久石譲が手がけることも明らかになった。

『小さいおうち』は2014年1月、全国にて公開。

『小さいおうち』
2014年1月全国公開