蜷川幸雄作品常連の小出恵介、「『盲導犬』との出会いは宝」

2013.4.22 15:10配信
小出恵介  撮影:吉田孝幸 小出恵介  撮影:吉田孝幸

かつて蜷川幸雄が旗揚げした劇団、櫻社。1973年、その櫻社のために唐十郎が書き下ろした作品『盲導犬』が7月、Bunkamuraシアターコクーンで上演される。今作は蜷川幸雄が初めて手掛けた唐戯曲でもある。新宿の街を舞台に、古田新太演じる盲目の男・影破里夫(エイハリオ)がファキイルと呼ばれる伝説の“不服従の盲導犬”を探し歩く。かつての恋人の思い出が封印されたコインロッカーを開けようとする女に扮するのは宮沢りえ。破里夫とともにファキイルを探すフーテン少年役の小出恵介に、今作への意気込みを語ってもらった。

『盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-』チケット情報

2008年『から騒ぎ』で蜷川作品に出演して以降、舞台役者としての活躍目覚ましい小出。「昨年、『下谷万年町物語』の稽古場を観に行ったのが唐さんの作品との出会いです。稽古場も、そして本番でも、宮沢さん、藤原竜也くんや西島隆弘くんが本当にイキイキしていて、『僕もこの世界に飛び込んでみたい!』と思いました」と話す小出。「特徴ある言葉、なにかに飢えて、欠乏している感じ。僕自身、そういうものとは遠いようでいて、一抹の憧れがあるんです」と唐作品の魅力を語る。

唐作品の虜になった小出に、チャンスが訪れたのはそのわずか半年後だったという。「昨年の秋、『ボクの四谷怪談』の本番のときに蜷川さんに『盲導犬』の準備稿をもらったんです。その日の飲みの席から帰った朝6時頃、家で大声でその脚本を読みました。そして、酔っぱらった状態で蜷川さんに『任せろ、大丈夫だ』って、アホみたいな電話をかけたことをはっきり覚えてます(笑)。読みながら、僕は絶対的にこの作品を好きだ、だからやれる、って思ったんです」と当時湧き上がった思いを述懐した。

古田とは過去ドラマで共演を果たし、何度か飲んだことがある間柄。また宮沢とは現在上演中の舞台『今ひとたびの修羅』でも一緒だ。「おふたりは先輩ですが、僕を含めた3人のバラバラさ加減がいい味わいになるんじゃないかな。まとまらなそうでいて、その実根底に流れるものが同じであるといいなと思っています」と稽古を心待ちにしている様子。

蜷川作品出演は今回で4度目。「僕が言うのもおこがましいけれど、『盲導犬』はとくに、蜷川さん自身もすごくやりたいことだと思うし、僕自身にとっても宝になりそうな予感がします。20代のうちにこんな作品に出会えて幸せ」と熱く語る小出がどんな姿で舞台を駆け回るか、期待が募る。

公演は、7月6日(土)から28日(日)まで東京・Bunkamuraシアターコクーン、8月3日(土)から11日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて。チケットの一般発売は5月12日(日)午前10時より。なお、チケットぴあではインターネット先行を実施中。大阪公演は4月25日(木)午前11時まで抽選先行、東京公演は5月11日(土)午後6時まで先着先行を受付。

取材・文:釣木文恵

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