ミュージカル『テニスの王子様』10周年記念コンサート Dream Live 2013 (C)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト (C)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会 ミュージカル『テニスの王子様』10周年記念コンサート Dream Live 2013 (C)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト (C)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会

人気漫画『テニスの王子様』(許斐剛作、集英社刊)を舞台化、2003年の初演より現在まで観客動員数140万人を突破しているメガヒット作、ミュージカル『テニスの王子様』(通称テニミュ)。2011年からは2ndシーズンも始まり、1stシーズンとは異なるキャストと構成で、引き続き熱い注目を浴びている。中でも、公演楽曲を使用したコンサート『DREAM LIVE』(通称ドリライ)は、キャストが役の扮装とキャラクターそのままに歌とダンスで見せるファン必見のイベント。今回は2年ぶりの開催となるその初日が、4月27日、神奈川・横浜アリーナで開幕した。

「ミュージカル『テニスの王子様』Dream Live 2013」兵庫公演チケット情報

ステージはアリーナの中央に本舞台を置き、その四隅からランウェイが伸びて、それぞれの先にまた小さいステージを置く独特の形。後方席にまでキャストの姿が見えやすく、同時に上部のスクリーンでは歌うキャストごとに顔が大写しになるので、テニミュビギナーにもやさしい作りだ。冒頭、曲が流れ始めると、早くも場内は歓声の渦に。メインのチームである青春学園(通称青学〈せいがく〉)のメンバーが登場し、越前リョーマ役の小越勇輝が「俺たち青学(小越を除く現メンバーは昨年12月より新キャスト)にとって最初のドリライ!油断せずにいくぞ!」と声を挙げると、メンバー全員でのステージでコンサートはスタート。

続いて立海、氷帝、比嘉、六角と、青学のライバル校が登場してそれぞれのテーマ曲を歌い継ぐと、最初はやや硬さも見られたキャストたちもすっかりライブを楽しんでいる表情に。本公演の衣装はジャージと制服がほとんどだが、中盤では氷帝・跡部景吾役の青木玄徳が曲のイメージに合わせ、華やかなコスチュームで登場。インターバルの“ゲストコーナー”(日替わり)では、過去に四天宝寺の白石蔵ノ介を演じ、今ではミュージカル界のホープとして活躍する佐々木喜英が登場。後半に入って立海の柳生比呂士(味方良介)と仁王雅治(久保田秀敏)から、各校のダブルスが互いへの信頼を歌う、1stシーズンからおなじみの名曲が続くと、場内のボルテージは最高潮に達した。

本公演では徹底的なヘアメイクとキャラクター付けによって、原作の世界観を作り上げているキャストたち。だがドリライでは、役の少しだけプライベートな顔が垣間見えるのが魅力だ。全身で歌い、踊りきった彼らがアンコールで見せたホッとしたような笑顔に、テニミュの舞台だけがもつ瑞々しいきらめきを改めて感じた。

横浜公演は終了したが、5月3日(金・祝)より兵庫・神戸ワールド記念ホールでも開催。チケットぴあでは、公演前日まで当日引換券を発売。

取材・文 佐藤さくら