ジャック・ドゥミ監督『ローラ』(C)2012 Cinetamaris-Fondation Groupama Gan-Foudation Technicolor

『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』などで知られる仏映画界の巨匠ジャック・ドゥミ監督の長編デビュー作『ローラ』が完全修復され、6月21日(金)から有楽町朝日ホールにて開催されるフランス映画祭で上映される。

その他の写真

『ローラ』は、美しい港町ナントを舞台に繰り広げられる淡く切ない恋物語。ヒロインを演じたアヌーク・エーメの美しさ、ヌーヴェルバーグを代表する撮影監督ラウル・クタールが手がけた淡いモノクロ映像、そしてミシェル・ルグランの軽快な音楽など観客を魅了する要素がつまった傑作で、現在もファンの多い作品だ。しかし、本作のオリジナル・ネガは火災で焼失しており、これまでいくつかのプリント用ネガが作成されたが決して完全な状態とはいえなかった。そこで昨年、フランスで本作のデジタル修復完全版の制作が開始。ジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』のカラー修復版などを手がけたチームが修復を担当。昨年の6月にボローニャの復元映画祭でプレミア上映されたばかりの修復版が日本で上映されるのは今回が初となるため、多くのファンが足を運ぶことが予想される。

“フランス映画祭”はフランスの最新映画をいち早く上映する恒例の企画で、今年はフランソワ・オゾン監督の『In the House(英題)』を始め、ジャック・ドワイヨン監督の新作『アナタの子供』、クロード・ミレール監督がオドレイ・トトゥを主演に迎えた『テレーズ・デスケルウ』など全14プログラムが上映される。

フランス映画祭2013
日程:6月21日(金)~24日(月)
場所:有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇