ジェイソン・ブラム氏

イーサン・ホーク主演の超絶ホラー『フッテージ』を製作したジェイソン・ブラム氏が、代表作『パラノーマル・アクティビティ』(09)のように低予算でヒット作を連発する秘訣は、成功するまで誰も報酬がないレベニューシェア的手法を採用しているという内幕を語った。

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ホーク演じる作家の主人公が、一家首吊り惨殺事件をテーマにした新作執筆のために事件現場となった家に家族で越してくるも、事件を映したフィルムの呪いに遭うストーリー。数々の名作ホラー作品を放って輝かしい実績を誇るブラム氏だが、「今回は手直しする必要がまるでなかったね」と完成作に絶対の自信を示す。「普通は修正したいシーンがあるものだが、今回は初めてないと思ったよ。その意味で心底気に入った作品になったわけだけれど、これはスコット・デリクソン監督のスゴい才能だね! ははは!」。ちなみにホラーが嫌いだったホークも気に入って、すでに別のホラー映画をブラム氏と一緒に撮ったという。

制作会社ブラムハウスを率いるブラム氏の映画製作の最大の特徴は、超低予算ということ。それでも代表作『パラノーマル・アクティビティ』のように最高の収益を上げる作品を連発するわけで、ズバリ! 秘訣を尋ねると、ビックリするような回答が返ってきた。「僕も含め、全員報酬ナシでやっているからね(笑)」という。が、これがホントの話で、「つまり、総予算から収入を引かないようにしていて、予算は全額、映画製作に使い切っているわけ。そして、ヒットして初めて、収益を配分するわけだよ」。つまり、映画がコケてしまえば、ギャラはないのだ。「そうだね」とまた笑うが、興行が振るわなければ、主演のホークもデリクソン監督もノーギャラだ。それは、さぞかし必死に作って、いい映画にしようと努力するはずだ。「そうそう(笑)。そういうシステムなので、皆一生懸命に働くよ。いい映画が続々と生まれている理由だと思う。今後もその方針を変更する予定はないかな」。

『フッテージ』
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取材・文:鴇田 崇