カンヌ映画祭レッドカーペットに登場した出演者(C)2013『そして父になる』製作委員会

是枝裕和監督の最新作『そして父になる』が第66回カンヌ国際映画祭に出品され、是枝監督と主演の福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー等が公式上映に登場。上映後は約10分に渡って観客のスタンディングオベーションを受けた福山は感動で涙を見せた。

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本作は、ある日突然、自分の子どもが病院で取り違えられたという事実を突きつけられた親の姿を通して、愛、絆、家族とは何かを問うヒューマンドラマ。福山が主人公の父親役を務め、その妻を尾野が、子どもを取り違えられてしまったもうひと組の夫婦をリリーと真木が演じる。

上映の前日に行われた記者会見では、是枝監督が「自分の作品がすべて家族をとらえているわけではないけれど、両親が亡くなり、子どもも生まれて自分のあり方を考えるにあたって、この作品は家族をテーマにして描いた」とコメント。是枝作品初出演の福山は「実際に自分は父になったことがないので、このお話をいただいた際に自分には似合わないのでは? 父には見えないのでは? と不安になって監督と相談しましたが『この作品はまさにそういう作品だから撮影が進むにつれて少しずつ父に見えてくればよいのでは』というお言葉をいただきました。是枝監督は、現場で見た人でないと、この感覚だったりその凄さはわからないかも。是枝さんというのはすごい人」と振り返った。

上映後に福山は「大変感動し、泣いてしまいました。自分というよりは『是枝さんおめでとう!』という気持ちがこみあげてきてしまい、男泣きでした!」と興奮気味。是枝監督は「こんなに温かい拍手に包まれて本当にうれしかった。さらにそれをみんなで共有できたことが素晴らしいことだと思う」と感激しきりの様子だった。

共演者も「こんな感動ははじめてでした。日本の文化や気持ちなどが海外の方にも伝わるんだと知ってさらに感動しました」(尾野)「じわじわと感動を実感」(真木)「ああいう風にたくさんの方と思いを共有できて、監督の背中を見て、自分も少しは協力できたのかなと感じ、うれしく思った。いやなことがあったら、この日の映像とかを見ながらあの時はよかった、輝いていたねって(笑)」(リリー)と各々の思いを語った。

『そして父になる』
10月5日(土)新宿ピカデリー他全国ロードショー