『モネ・ゲーム』に主演したコリン・ファース(C)2012 Gambit Pictures Limited

『英国王のスピーチ』のオスカー俳優コリン・ファースとキャメロン・ディアスが主演する映画『モネ・ゲーム』が公開されている。作品の中で観客が最も驚かされるのは主人公を演じたファースの“ハジケっぷり”だ。名優として人気を集める彼は本作にどのように取り組んだのだろうか? 彼が作品についてたっぷり語った映像が公開された。

『モネ・ゲーム』コリン・ファース インタビュー動画

本作は、カタブツで少しだけツメが甘い美術鑑定士のハリー(ファース)が、美人だが天然キャラで少しだけ頭が弱いPJ(ディアス)を相棒に、モネの連作『積わら』の贋作を用いて、メディア王のシャバンダー(アラン・リックマン)から大金をせしめようとするも、次々に想定外のトラブルに巻き込まれる様を描いたエンターテインメント作品だ。

ファースは、歴史劇や重厚な人間ドラマで高い評価を集める一方で、『ブリジット・ジョーンズの日記』や『マンマ・ミーア!』などコミカルな作品にも多く出演している。しかし、彼はつねに真摯。本作でも「ナンセンスだからといって、正確さやニュアンスがなくていいわけじゃない。この作品は危ない綱渡り的なコメディだから、1ミリだって外せない。外したら、リスクがとても高くなる」と語る。「自分を笑わせるだけじゃダメなんだ。最終的にみんなを笑わせることができるジョークは、様々なプロセスをくぐり抜けた笑いだからね」。

試行錯誤を繰り返して真摯に“ゆるやか”な時間を描き出す。そんなファースにとって本作は共演者に恵まれたようだ。彼は「キャメロンは愉快で、エネルギッシュで、自然体だ。彼女は、僕とハリーが必要とするすべてを持っている。彼女はこれまで出会った中で最高にエネルギッシュで、楽しい共演者のひとりだ」と“相棒”を絶賛し、詐欺の“カモ”を演じたリックマンについても「アランと演じた最初のシーンでは、笑いをこらえられなかった。僕は落ち込んで茫然としたよ。僕は喜劇的な尊大さを魅力的だと思う。喜劇的な怒りと尊大さでアランに勝る人はいない。彼には完全にやられたよ」と語る。

マヌケな場面を演じて笑わせたかと思えば、キメる場面ではしっかりとキメる。ファースのファンにとって『モネ・ゲーム』は、彼の確かな演技力を堪能しつつ、新たな一面も楽しめる作品になっているのではないだろうか。

『モネ・ゲーム』
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