(左から)パク・チャヌク監督、IMALU

韓国映画界が誇る鬼才パク・チャヌク監督が、待望のハリウッド進出作『イノセント・ガーデン』を引っさげ、約3年半ぶりのプロモーション来日を果たした。21日には、都内で女性限定のプレミア上映会が開催され、パク監督が日本のファンに本作をアピール。「以前の作品に比べると、目を覆うような残虐なシーンは少ないので、ぜひ怖がらずに観てください」と茶目っ気たっぷりに、来場した女性の観客に語りかけていた。

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映画は父を交通事故で亡くし、母(ニコール・キッドマン)と二人きりの生活を始めた18歳のインディア・ストーカー(ミア・ワシコウスカ)が、行方不明だった叔父の出現を機に次々に奇妙な事件に巻き込まれていくサスペンス。『プリズン・ブレイク』シリーズの主演俳優ウェントワース・ミラーが脚本を手がけており「監督の思いを込められる、心地よい余白があるシナリオだった。それに主人公が私の娘と同じ18歳だという点も、この作品を撮ろうと思ったきっかけ」とハリウッドデビューを語っていた。

大ヒット作『JSA』(2000)、カンヌ映画祭でグランプリを受賞した『オールド・ボーイ』(03)など武骨でヘビーな作風で知られるパク監督だが、「今回は思春期の少女が観て、気に入ってもらえる作品にしたかった。目指したのは、俗世間から離れた優雅で高尚な世界観。ディテールを大切にしたので、映像の隅々まで味わってください」と新境地をアピールした。

主演を務めるワシコウスカについては「ふらっと街を歩いていたら、誰も気づかないかもしれない。それほど自然で気さくな女性だった。ハリウッドの若手女優には珍しく、芸術性が高くシリアスな作品を選んでいる印象がある」とコメント。キッドマンは「現場では誰よりもプロ意識が高かった」といい、「その分、オフではご主人と子どものことばかり考えている。いい意味で“平凡”な女性でそれが魅力的」と評していた。プレミア上映会には、タレントのIMALUが駆けつけた。

『イノセント・ガーデン』
5月31日(金) TOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテほか 全国ロードショー

取材・文・写真:内田 涼