年収対比で決めるのが一番合理的(実行できるかはともかく)

ちなみに、ファイナンシャルプランナーとしてもっとも合理的な負担割合を考えるなら、「年収比で按分」です。例えば、手取り年収が男性450万円、女性250万円であったとしたら、男性が3分の2を払うのが、お互いもっとも無理がない負担ということになります。

たぶん、年収比で按分すればデートも無理なく続けられるし、仮に別れても後腐れがない(オレばかりこんなにお金を出して!と文句も言えない)と思います。もっとも合理的で理想的です。

しかし、按分の問題は、割り勘以上に実行が難しいということです。私が女性なら、「7:3できみが3割負担ね」と按分を申し出られたら、割り勘よりも細かいと感じて、100年の恋も吹っ飛びそうです。また、負担額の計算に時間がかかったり、100円未満でこまこまやっているのも、愛情が冷めてしまいそうな感じがします。

そこで、按分方法をもう少し現実的に実行するため、男性向けのアドバイスを3つほどあげてみます。
 

1)予め割り勘か、ご馳走かは話しておく(変な期待はさせない)

2)年収比の按分を頭にいれつつ、お茶代はご馳走してご飯代は割り勘のように、シンプルに調整していく(毎回按分しない)

3)誕生日等のイベントはご馳走する(できれば自分の誕生日はご馳走してもらいたい!)

お金の問題は、神経質である印象を与えると男女関係にマイナスですが、何も考えていない印象を与えるのもさらにマイナスです。バランス良く、スマートに「按分」してみてはどうでしょうか。

私の友人には、年収の高い女性が年収が低い男性とつきあっていたとき、女性がどんどんご馳走していたカップルがいます。このカップルは女性が仕事をやめて年収が下がったときは男性がどんどんご馳走していたり、なかなかバランス感覚のある付き合い方をしていました。結婚後もうまく家計をまとめてやりくりしているようです。

デートの金勘定はファイナンシャルプランナーにも難しい課題ですが、このコラムがふたりの中でちょうどいい落とし所を探すヒントになれば、と思います。

 

やまさき・しゅんすけ 「人生の幸せの問題は、たいていはお金の問題である」という考えのもと、お金と幸せについて考えるファイナンシャル・プランナー(FP)。公的年金制度・退職金制度、投資教育が専門。Twitterでは毎日一言「お金の知恵」をツイートしてます。副業はオタクで、まちあるき、アニメとコミック、ゲーム好き。所属学会は東京スリバチ学会と日本年金学会