株式会社ライブ・ビューイング・ジャパンの代表取締役会長・大里洋吉氏

アジア全域で活躍する映画人が集結したトリック・エンターテインメント巨編『10人の泥棒たち』を配給する株式会社ライブ・ビューイング・ジャパンの代表取締役会長・大里洋吉氏が、クオリティーの高い韓国映画は「絶対にヒットする!」という強い自信を示した。

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世界に1つしかない幻のダイヤ“太陽の涙”の争奪をめぐって集まった10人の男女の野心と顛末を、3つの恋愛ドラマと怒涛のアクション満載で描く犯罪エンターテインメント。韓国では『グエムル -漢江の怪物-』が築いた韓国映画の観客動員記録を塗り替え、昨年韓国映画史上第1位の座に躍り出たメガヒット作だ。長年韓国映画とエンタメ界全体をウォッチする氏は、「韓国映画は一度ドン底に落ちた時期があったけれど、這い上がってきたら力がついていた感じかな」と本作が有するパワーを絶賛! 「自国以外に香港の俳優を使うセンスとキャスティング配分、あのマカオでのロケ撮影。これはね、日本映画界は慌てないと(笑)。自分たちに対する自戒も込めて配給しますよ(笑)」と本作を推奨する。

実は大里氏は、『シュリ』、『JSA』、『猟奇的な彼女』などのヒット作を日本に紹介した人物で、韓国映画ブームの火付け役だ。『10人の泥棒たち』については、「韓国でたまたま観た映画だったの(笑)。でも、映画館を出ないうちに買おうって、配給会社に電話をかけた。後で会社の人間には怒られたけれどね(笑)」と本人は笑い話のように謙遜するが、そのヒキは強く、いい映画を買ったという強い自信もある。「『JSA』のソン・ガンホ、イ・ビョンホン、よかったですよねえ。最近は韓国映画を観る人が減ったって言うけれど、いい俳優、いい作品は残ります。そして、絶対にヒットすると思う」と強い自信で送り出す。

だから、テレビスポットは打たない。2週間限定公開で、全上映回の全席指定チケット制も実施して“質”で勝負する。とりわけ氏が奨めたいポイントは、“日本語吹替による日本オリジナル版の上映”だ。「どうぞ吹替え版を観てください。今回は素晴らしい。韓国映画の吹替え版はなじみがないかもしれないですが、10分もすれば抵抗感はなくなる(笑)。吹替え版は仕掛けたトリックや俳優の演技に集中できます。字幕版の5倍は楽しめますよ!」。

『10人の泥棒たち』
6月22日(土)より、TOHOシネマズ 渋谷ほか全国2週間限定公開

※取材・文・写真:鴇田崇