『ハングオーバー!!! 最後の反省会』 (C)2013 Warner Bros. Entertainment. All Rights Reserved.

タイトルの『ハングオーバー』は二日酔いの意味。意味そのまんまのコメディ・シリーズが、ついに完結する。そもそも、前二作の間にも監督は「三部作にする」なんて言っていたのだが(実際はヒットして予算が付いたから)、今作をもってキッチリと落とし前をつけてきた。

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前作までは、薬を仕込んだお酒のせいで記憶を失った上に、最悪の二日酔いを抱えたフィル、スチュ、アランの三人組が、消えた記憶と行方不明になった仲間を捜すというストーリー。一作目はそのもの珍しさとテンポの良さ、構成のおもしろさでファンを急増させ、二作目もそれと同じ展開で度肝を抜いた。シリーズものとしては禁じ手ともいえる、まさかの同じ手。では、終幕を飾る三作目も同じだろう、と思う人も多いだろう。だが、その期待は簡単に裏切られることになる。

まず二日酔いゼロ。今作では、飲酒量はほんのちょびっとだ。あの三人がシラフでも何もおもしろくない! と心配になる人もいるだろう。でも大丈夫。間違いなくこのシリーズらしい展開とオチを期待していい。

今作のキーマンはアランだ。アランの父親が急死したことで、アランの世話をできる者がいなくなり、彼を施設に入れることを決めるところから物語は始まる。一度は渋るアランも、ダグの説得と、フィル、スチュが送ってくれるなら、と条件付きでOK。その施設へのドライブ中、彼らは突然マフィアに襲われるのだ。マフィアがダグを人質にとったことで、またも彼らはヒドイ旅に……。

シラフのままだが、彼らは前二作まででしでかしたバカ騒ぎのあとをたどらなければならなくなる。二日酔い明けの人ほど、酔っぱらっていた時の記憶をたどるのはイヤなもの。ましてや何年も経ってから、過去の大騒動の軌跡をたどるのは、反省会以外なにものでもない。「そのままじゃん!」と賛否両論だった邦題も、完結編にしてまたも的を得ていて、本編を観れば納得することうけあい。一つヒント。前二作とはまったく展開は異なるが、騒動の大きさと下ネタのレベルは上がりまくり。しかも、エンドロールまで観ないと完結しないので、最後まで席を立たないように。

『ハングオーバー!!! 最後の反省会』
公開中

文:よしひろまさみち