『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』の声優を務めた、(左から)阪口大助、杉田智和、釘宮理恵

『週刊少年ジャンプ』の看板作品のひとつとして、絶大な支持を集める『銀魂』。7年間にわたり放映されてきたテレビアニメ版が、映画『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』で堂々のフィナーレを迎えることとなった。長きにわたり、主要キャラクターである万事屋の面々を演じてきた声優の杉田智和、釘宮理恵、阪口大助にアニメ版完結への想いを聞いた。

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『銀魂』は、異星人の襲来によって様変わりした江戸・かぶき町を舞台に、万事屋を営む坂田銀時(杉田)、神楽(釘宮)、志村新八(阪口)の3人がさまざまな事件を解決すべく騒動を繰り広げるコメディドラマ。攘夷志士や真選組など、幕末の世界観を踏襲したキャラクターや物語が人気を博している。完結篇の台本を読んだ印象について尋ねると、杉田からは「思ったよりきれいにまとまっていて、ファンも納得できるものになっていると思います。実は夢オチだったとかも、『銀魂』ならありえるので」という答えが。一方、釘宮は「真剣に終わらせることに向き合って作ったんだなという前向きな気合いがみなぎっていましたね」としみじみと語った。

本作は原作者の空知英秋氏による完全新作の書き下ろし。ビジュアルが公開された際には、たくましく成長した新八と神楽の姿にファンが一時騒然となった。「こんなことめったにないので、格好よくやっておかなきゃ損だと(笑)。今回は面白キャラにする気はありません!」と、いつもはツッコミキャラの阪口が宣言すれば、「私もあんなに大人っぽい役はやったことがなかったので、余裕を醸し出したいなと(笑)。とにかく精いっぱい頑張りました」と釘宮からも熱い意気込みが。「コメディゆえに録り直しがきかない部分もあって、想像以上に過酷な現場でした」(杉田)、「ほかの現場では多少の面白いシーンも笑わずに堪えられるんですが、『銀魂』は予想だにしないことが起こるので(笑)」(阪口)と、『銀魂』らしい緊張感に満ちたアフレコ現場の様子も明かしてくれた。

本作のテーマは「時代が移り、世界が変わっても、“変わらないもの”がきっとある」。「新八も神楽も、見た目はだいぶ変わっていますが、根底にあるものは変わらない。演じながらも、ふとした瞬間にいつもの万事屋に戻る瞬間を何度も感じていました。辛い過去を乗り越えるのではなく、それを持ったうえで新たな絆を感じさせるドラマになっていると思います」と杉田も語るように、これまで『銀魂』が描いてきた“絆”というものを、より強く意識させる作品になっている。7年間の最後を飾るにふさわしいオールスターキャストで迎える大団円を、ぜひ劇場で目撃して欲しい。

『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』
公開中

取材・文:渡部あきこ