開幕記者会見より (左から)ジョン・ノイマイヤー芸術監督/アレクサンドル・リアブコ/アレクサンドル・トルーシュ (C)Yuji Namba 開幕記者会見より (左から)ジョン・ノイマイヤー芸術監督/アレクサンドル・リアブコ/アレクサンドル・トルーシュ (C)Yuji Namba

ハンブルク・バレエ団2018年日本公演が間もなく開幕する。1月29日に都内ホテルで行われた開幕記者会見には、ジョン・ノイマイヤー芸術監督とふたりのプリンシパルが登場、日本公演への思いを明かした。

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「あまり長くならないように、と言われています(笑)」と冒頭から穏やかな笑顔のノイマイヤー。「初来日(1986年)のずっと前から、私は日本に大きな影響を受け、ここではいつも特別な時間を過ごします。今回は私たちの、もっとも人気の高い作品を持って来ました。偶然にもひとつは女性が主役、もうひとつは男性のバレエです」と、自作について語り出した。

公演期間前半に上演される『椿姫』は、世界各地の劇場で上演されている傑作だが、「どの公演も一度きり、ということを大切に演じてもらいたい。ここにいるアレクサンドル・トルーシュは、今回初めてアルマンを踊ります。パートナーはアリーナ・コジョカル。新たな組み合わせで見るということは、再発見ができるということ。彼らのリハーサルを見て、新たに気づいたり、新しい色付けをしたりしています」。

もうひとつの『ニジンスキー』は、ノイマイヤーが「20世紀でもっとも重要なアーティストではないか」と信奉する天才ダンサー、振付家のヴァスラフ・ニジンスキーを題材としたバレエだけに、「話し始めたら朝までかかりますよ」とジョークを放つ。ニジンスキーという人物を描くバレエではあるが、「ドキュメンタリーではありません。彼の劇的な人生の断片を取り上げ、彼がいかに深い思いを持つ人間であったかということを表現したいのです」という。

この日登壇したプリンシパルのひとり、アレクサンドル・リアブコは、2000年の初演時からニジンスキー役を踊っているが、「毎回、困難をともない、達成できるかどうか不安になる。全く他では体験したことのない特別な作品。皆さんの前で踊ることができて幸せです」と笑顔を見せる。一方のトルーシュは、「『椿姫』を最初に観たのは12~13歳の時。多分彼(リアブコ)が踊った舞台ですが、その時からこの役を踊ることを夢見ていました」と振り返る。『ニジンスキー』についても、「いろんな側面を持つ人物を表現できるのは、アーティストとして幸せなこと」と語った。

期間中にはガラ公演『ジョン・ノイマイヤーの世界』も予定されている。ハンブルクの才能豊かなダンサーたちが総動員で紡ぐ、奇跡の舞台との呼び声も高い。

公演は2月2日(金)から12日(月・祝)、東京文化会館にて開催。2月17日(土)にはロームシアター京都にて『ジョン・ノイマイヤーの世界』公演も。チケットは発売中。

取材・文:加藤智子