「私は19歳のときに、かつて塾の講師だった夫と結婚しました。15歳差のいわゆる年の差婚です。

結婚が決まったため、高校卒業後に就職した会社をたった数か月で辞めてしまいました。

だから当時、本当に世間知らずだったんです。

そのこともあり、結婚式の準備に始まり、その後の生活面や経済面の多くを夫に頼ってきました。

私がすることといえば、洗濯や料理、掃除などの家のことだけ。夫にも結婚当初から『お前は俺がいないと何もできない』と言われ続けてきました。

その言葉のせいで、私はどんどん夫に依存するように…。

その後も、月日の経過とともに夫の言動はひどくなるばかり。暴力こそありませんでしたが、少ないお金で生活費をまかなうように言われたり、外出を制限されたりと、かなり不自由な生活を送ってきました。

そして、残念ながら子どもには恵まれなかったので、そのまま10年が経ってしまったのです。

去年、友人に夫婦関係を相談して『モラハラではないか』と言われたときは驚きました。私が出来損ないの妻だから、彼を怒らせてしまうのだと思い込んでいたからです。

まさか、夫側に原因があるなんて…。

自分の夫が『モラ夫』だと気づいてからは、離婚したいと思うようになりました。

しかし、それは私にはできません。

『お前は俺がいないと何もできない』あの言葉が頭から離れず、自信がないからです。

自分を変えようと何度も思いましたが、働くことも許されず、そのため家を出ていくお金もありません。

私は一生夫に縛られて生きていくのだと諦めています」(29歳/主婦)

『お前は俺がいないと何もできない』という言葉に10年以上縛られている妻。

長い間言われ続けたことで洗脳されてしまった部分もあるのでしょう。

もう少し早く周りに相談できていれば、何か手立てがあったのではと思わずにはいられませんね。

「モラハラ夫」かもと思ったら、周りを頼って逃げ出す道をつくってもらうのも一つの手と言えそうです。

ライター・コラムニスト。人と人とのコミュニケーションを専門に扱うライター。TOEIC:840/TOCFL:BandC。恋愛コラムなども執筆。5時に夢中!(TOKYO MX)などでも度々コラムが取り上げられています。