森田芳光監督と二人三脚で映画を製作してきた三沢和子氏を中心に、関係者たちがモニュメントを囲む

2011年12月に急逝した、映画監督森田芳光氏の記念モニュメントが、函館にあるカフェ「やまじょう」に設置された。函館は、『ときめきに死す』(1984)、『キッチン』(1989)、『海猫』(2004)、『わたし出すわ』(2009)と4作品でロケ地にもなっているほど、森田監督と相性の良い場所。『ときめきに死す』の沢田研二による台詞「涼しいですね」を体現する夏の風景や、『キッチン』の幻想的な街なみなど、ファンにとって森田作品と函館の繋がりは重要なキーワードとなっている。

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監督自身、函館市内にマンションを借りて脚本執筆や夏競馬に挑んでいたというのも有名な話だ。また、函館イルミナシオン映画祭シナリオ大賞の初代審査員を務め、昨年12月には、特集上映《ありがとう!森田芳光監督》が組まれるなど相思相愛な関係でもある。今回の記念モニュメント設置は、同特集でドキュメンタリー『美術力』(森田組美術デザイナー全員のインタビュー集)が上映された折に話が持ち上がったという。

森田監督が足繁く通った函館の元町にある「やまじょう」の扉の両側に及川正通氏によるイラスト(ぴあMOOK「森田芳光祭」の表紙(ぴあBOOKSHOPで発売中))と、森田監督のポートレイトが掲載され、店内にはシナリオ、DVD、当時の記事、森田監督の著書等も常時展示されている。市内の森田監督ゆかりの店でも写真等が飾られるなど、街のあちらこちらで森田監督色に。夏の函館で森田芳光作品を感じてみてはいかがだろう。

カフェ「やまじょう」
北海道函館市元町30-5
TEL:080-3237-3946