『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』でトム・クルーズと共演するサイモン・ペッグ(左)

『ミッション:インポッシブル』シリーズの第4弾『ゴースト・プロトコル』で、再びトム・クルーズと共演を果たしたサイモン・ペッグ。3作目ではほんの小さな役でしかなかったが、新作ではクルーズ演じるイーサンが率いるチームの一員として大活躍するベンジーを演じた彼が、映画について語った。

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「ある日、プロデューサーから連絡が来たんだ。“ベンジーがエージェントだったら面白いだろう? 新作を作るんだけれど、今度はエージェントになってイーサンと活躍してくれよ”と言われた。“えっ、それ何?”って信じられなかったし感激もしたよ。前作の撮影はたった2日間だけ。今度はドバイやプラハ、バンクーバーにまで行って、7ヵ月も撮影したんだ」

『ミッション…』シリーズに再出演が決まった時の感激をこう明かすペッグ。そしてイーサンとベンジーの関係についても説明してくれた。

「まずイーサンは、ベンジーがエージェントのひとりである、ということに驚くんだ。何しろ最後にベンジーを見たのは、研究室でコンピューターのキーボードを叩いている姿だったからね。ベンジーにとってイーサンは3作目と同様に“ヒーロー”で、彼のためなら身を投げうつ、という姿勢は変わらない。そして本作ではイーサンと一緒に現場に飛び出していくんだ」

「英雄と一緒に行動できる」ことになったベンジーのことを「まるで現実の僕とトムの関係のよう」と語るペッグ。「トムは温かくて寛容で、仕事に対する真剣な取り組み方は尊敬できる。そんな彼と一緒にいると、その姿勢を見習いたくて自分も努力しようと思うんだ。何しろ彼はトム・クルーズなんだから!(笑)」

本国イギリスでは、新鋭コメディアン兼俳優として人気が高く、『タンタンの冒険』や『スタートレック』などハリウッド大作でも活躍するペッグ。『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』、12月23日(金)日本公開の『宇宙人ポール』などでは脚本も担当し、その多才ぶりにも注目が集まっている。ベンジーが新作に再登場した理由のひとつは、この多彩な才能を見込まれたからに違いない。

「僕のコメディ俳優という背景がこの役には大きく活かされている。切羽詰まった状況に追い込まれても、ベンジーはユーモアをもって行動する。でも一方で、命がけの厳しい状況に追い込まれて、何をしていいのかわからず恐怖におののくこともある。そんなベンジーを演じるのは本当に楽しいよ」

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』

取材・文:高野裕子