左から、土居裕子、岡田浩暉、貴城けい、戸井勝海 左から、土居裕子、岡田浩暉、貴城けい、戸井勝海

オフ・ブロードウェー・ミュージカル『テン・ミリオン・マイルズ』の制作発表が7月30日、都内で行われ、岡田浩暉、貴城けい、戸井勝海、土居裕子らキャスト陣と、演出家の北澤秀人が会見に出席した。

オフ・ブロードウェイ・ミュージカル『テン・ミリオン・マイルズ』チケット情報

『春のめざめ』でトニー賞に輝いたマイケル・メイヤーが演出を手がけた作品で、本国版は2007年に初演。数か月前に知り合ったばかりの男女がフロリダからニューヨークまで、自分探しの旅へ出かけるロード・ムービーならぬ“ロード・ミュージカル”で、今回が日本初上演。青年デュエイン役を岡田が、ヒロインのモリー役を貴城が演じるほか、ふたりを取り巻く人々を戸井と土居が何役も演じ分ける、出演者わずか4人だけの異色ミュージカルだ。

岡田は「この物語では大きな事件はないが、それは僕らの生活の中でも同じ。それでも、心の中では大きな喜び、深い悲しみ、大きな迷いなど、みんないろいろなものを抱えている。それを丁寧にすくって、音楽で紡いでいく。口にするのは簡単だが、とてもハードルは高い。この夏を締めくくる作品になるように頑張りたい」。貴城は「少人数で作品を作るのは初めて。その中でモリーの細かい心の動きや、台本に描かれていない物語もきちんと稽古場で消化し、お客様にモリーの人生を感じていただけたら」とそれぞれ意気込みを語った。

楽曲はフォーク/カントリー畑のシンガー・ソングライター、パティ・グリフィン(第53回グラミー賞受賞)が担当。ふたりは「難しい」と口を揃えた。岡田は「彼女の楽曲は等身大の世界を描いていて、聞いていてとても心地良い。でも、歌うととんでもなく難しいんですよ。だんだんと体に入ってきつつあるのですが、しっかり入ったら、感情のひだというか、細かいところまで表現できる曲なんじゃないかという気がしています」、貴城は「本当にどうなるかと思った。歌稽古の前日に岡田さんから「僕は1曲目を4時間やってるけど、できない。貴城さん、どう?」とメールをいただいた。私は2時間弱やってるけど8小節もいかない。これじゃあ初日に間に合わないと思った」と話し、お互い顔を見合わせて「それでもね、ちょっとづつ入ってきました」と、控えめながら手ごたえを語った。

当日は劇中のナンバーから岡田と貴城が『星への願い』、戸井と土居が加わり4人で『愛を信じて』と『テン・ミリオン・マイルズ』を披露。招待された一般のファンから喝采を浴びていた。

公演は8月24日(土)から9月1日(日)まで東京・新国立劇場 小劇場にて。チケット発売中。