『小さいおうち』の音楽を手がけた久石譲と山田洋次監督

山田洋次監督の82作目となる最新作『小さいおうち』の音楽を久石譲が手がけることが決まり、このほど音楽レコーディング作業が行われた。

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本作は、中島京子の直木賞受賞小説を原作に、平成を生きるひとりの青年が、亡くなった女性・タキが遺したノートを通じて、昭和初期に東京郊外に建っていた赤い三角屋根の“小さいおうち“で繰り広げられた“秘愛”の物語に触れる様を描く。松たか子、片岡孝太郎、吉岡秀隆、倍賞千恵子、妻夫木聡、黒木華が出演する本作はすでに5月に撮影を終え、現在は仕上げ作業が行われている。

久石が山田監督の作品を手がけるのは『東京家族』に続いて2度目。久石は「前回の『東京家族』が素晴らしい作品だったので、またご一緒できたらいいなと思っていました。お話を頂いた時はとても嬉しかったです」と言い、「映画で描かれている、時子(松たか子)を見守っているタキの姿を観ていて、最終的にはタキの視点で曲を書こうと思いました。また山田監督もそういう方向がいいんじゃないかとおっしゃってくれました。本当にやっていて楽しかったです。基本的にはメインとなるテーマ曲は2つなんです。その時代を生きてきたタキのテーマみたいなものと、もうひとつは意表をつくようなワルツ調の曲。深い根拠はないんですが、直感みたいなもので、ある種の軽やかさが出たらいいなと思ったんです。笑えるけど、ほろっと切ない。これはまさに山田監督の世界観ですよね。それを自分なりに表現しようとしたとき、この2つのテーマがいいんじゃないかと思いました。守りに入るよりは、こちらも冒険させてもらったんですが、それが結果的に良い形になればいいなと思っています」とコメントした。

レコーディング作業は山田監督と久石が何度も打ち合わせを重ねながら1シーンずつ丁寧に行われた。最後には久石によるピアノのソロ演奏の収録が行われ、山田監督は「素晴らしい!」と絶賛の声をあげたという。なお、本作のメインテーマは10日(土)より一部劇場で先行公開(17日(土)より全国の劇場で公開)される本作の特報映像に使用されており、来年1月の公開を前にいち早く耳にすることができる。

『小さいおうち』
1月25日(土) 全国ロードショー