01_左から、柿澤勇人、城田優、古川雄大  撮影:吉田タカユキ 01_左から、柿澤勇人、城田優、古川雄大  撮影:吉田タカユキ

2001年パリでの初演以来、フレンチミュージカルの火付け役として世界中で上演が相次いでいる『ロミオ&ジュリエット』。米国ブロードウェイの洗練とも英国ウエストエンドの端正さとも異なる、荒々しいほどの愛と情熱にあふれたステージはたちまちミュージカルファンを魅了した。日本版が初演されたのは2010年、宝塚歌劇団にて。翌年には宝塚版と同じ小池修一郎の演出で男女キャストによる上演が実現し、大ヒットを記録。そして今秋、城田優(ロミオ役)の続投に加えて古川雄大、柿澤勇人という新キャストを迎えてトリプルキャストによる再演が決定! 注目の集まる3人に本作への意気込みを聞いた。

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』チケット情報

制作発表では、演出の小池から「若手俳優を中心にした大作ミュージカルという意味では、本作が初めてという気持ち。エネルギーにあふれた舞台になることを確信している」との力強い言葉も聞かれた。「この熱い舞台にはとにかくチームワークが必要。僕も普段以上にくだけた調子でキャストに話しかけるようにしています。物静かな古川くんには嫌がられている気もするけれど」と言う城田。隣の古川が慌てて「興味のある人には緊張して冷たくしてしまうんですよ…」と困った表情を浮かべると、城田も思わず笑顔に。古川は続けて「今はロミオを演じることについて緊張しかないけれど、その緊張をいい意味で役に重ねたい」と話した。「ロミオとジュリエットに絡むキャストはほぼ20代だから、他にはない空気を感じる。皆で思い切り稽古したいですね」と目を輝かせる柿澤を含め、早くもゴールに向かって走る準備は万端の3人の様子が伝わってきた。

とはいえ、誰もが知る愛の物語。ロミオの役作りについて「ジュリエットと“本当に愛し合っている”ように見えること。それが全てなのでジュリエット役の2人(Wキャスト)とは芝居の細かいことでも話すようにしています」と城田は語る。柿澤もうなずきながら、「演じ手自身が目の前で起こっている物語を本気で信じないと、物語が成り立たくなってしまう。そこは意識して演じたい」と表情を引き締めた。一方、古川からは「僕がロミオに感じるのは純粋さ。だから一回一回リセットして新鮮な気持ちで舞台に挑みたいです」との穏やかだがキッパリとした答えが得られた。

御曹司らしいカリスマ性充分の城田、繊細な貴公子の香りを身にまとう古川、まっすぐにこちらを見つめる瞳が情熱を感じさせる柿澤。個性もバラバラの3人だが、インタビューをしているうちに、どれもが“これぞロミオ”という気がしてくるのが不思議だ。日本ミュージカル史にその名を刻むであろう本作の、本番を迎える日が待ち遠しい。

公演は9月3日(火)から10月5日(土)まで、東京・東急シアターオーブ、10月12日(土)から27日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。「開幕直前!コラボレーションスイーツ付チケット」や「オリジナルグッズ付当日引換券」も発売中。

取材・文 佐藤さくら