「声」にコンプレックスを持っている人は多い!

最近、松坂桃李さんが出演するガムのCMで「息はほぼ、顔」というキャッチフレーズをよく耳にしますが、それと同じように、実は「声もほぼ、顔」だということ、ご存知でしたか?声はその人の「顔」として、相手に自分をしっかり印象づけてしまいます。

 

そのように大事なコミュニケーション・ツールである「声」に、コンプレックスを持っている人は案外多いもの。

そこで今回は、声のプロフェッショナルであり『「魅せる声」のつくり方』(講談社ブルーバックス)の著者でもある篠原さなえさんにインタビューし、特に「人と話す時に、緊張してなかなかうまく声を出せない人たち」をメインターゲットに、その対処法や声の出し方のコツについて伺ってみました。

 

■「一番大切なのは、自信を持つこと!」

 

篠原さなえさん

…篠原さんは今まで、さまざまな「声に関する悩み」を持つ人にお会いしてきたかと思いますが、その中には「人と話す時緊張してうまく声が出ない」という方も多かったですか?

「はい、多かったですね。人と話す時にうまく声が出ないという方は、つまり『話す時の印象をよくしたいけれども、出来ない』から悩み、悩んで緊張するから声が出なくなる訳です。ここでまず一番最初にしなければならないことは、声のトレーニングというようなテクニックの部分以前に、『自分に自信を持つこと』です。自分に自信がないから声も前に出ないし、何度も聞き返させるうちにどんどん引っ込み思案になったりしますよね」


……自信をつけるのには、どうすればいいでしょう?

「自信をつけるにはその人その人のやり方があっていいはずです。だから、別に声がガサガサのままでも、それでも元気に楽しくお話しできる人であればそれで全然かまわないし、いやな印象など受けませんよね。」


……喋ることに苦手意識を持ってしまうと、声にもよくないと聞きましたが?

「自分の声が嫌い・自信がないという人は、だんだん自分の声を聞くのもしゃべるのも嫌になって、ふと気がついたら、1週間誰ともしゃべらなかった…なんてこともあるかもしれません。でも『声も老化』するんですよ。しゃべらないと、声も通らなくなるし、出しにくくなってしまいます。

そもそもしゃべることっていうのは、すごくエネルギーのいることなんです。そして、そのエネルギーをいかに相手に伝えるかが大事です。その伝え方は人によってさまざまですから、何かひとつ……『声の響きをよくする』でも、『声が通る』でも、『聞きとりやすい声にする』でも何でもいいので、人とお話する時に自信が持てる何かで相手にエネルギーを伝えるのです。すると「元気で感じのいい人」と思ってもらえるわけです」