フランス革命を背景に、身分や立場の異なる恋人たちの運命を熱く描いたフレンチ・ロック・ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』。日本初演は2015年、宝塚歌劇で開幕し、2016年には小池修一郎が潤色・演出を務め東宝版として初演した。

ミュージカル「1789-バスティーユの恋人たち-」チケット情報

待望の再演となる今回は新たなキャストも加わり、さらにパワーアップして大阪・上本町の新歌舞伎座で6月2日(土)より幕を開ける。元・宝塚歌劇団月組トップスターで、宝塚版初演では主人公ロナンを演じた龍 真咲も、波乱の人生を送ったマリー・アントワネット役で初登場。龍にとって宝塚退団後初のミュージカル作品となる。

「今回、宝塚初演では憎くて仕方なく感じていたマリー・アントワネット役をさせていただきます。出演が決まった直後は、革命を起こされる側に立つとどういう感覚になるのだろうという思いもありました」と戸惑いを隠せなかったと話す。

だが、昨年9月に発行されたヴェルサイユ宮殿公式写真集のオフィシャルサポーター就任もあって、その距離はぐっと近づいた。「実際にヴェルサイユ宮殿に足を運んで、様々なお話を伺うことで、マリー・アントワネットが見ていたもの、感じていたものをより身近に触れることができました。その感覚をうまく取り入れられたら。そうして『1789』に向けて自分なりに経験したことを、どれだけ正面から受け止めることができるか、そこも新たな挑戦だと思っています。女性の役を演じるのは初めてなので、少し心配もありますが、小池先生の頭の中を理解して挑みたいと思います」。

マリー・アントワネットの登場は贅の限りを尽くした貴族たちの華やかな場面。「フランス革命をテーマにした作品の中では特徴的な切り口から始まります。一気に物語に集中できるように作られています」と、前作で好評を博した登場シーンもそのままだと語る。

「宝塚退団後、再びこの作品に出会えたことをうれしく思います。時代に翻弄されつつも、とても強く、しなやかな女性であったマリー・アントワネットを、感情を奮わせて追求していきたいと思います。この作品は、どの役に感情移入するかで物語が大きく変化するところも魅力のひとつだと思います。いろんな役に興味を持っていただき、何度でも新歌舞伎座に足を運んでくださるとうれしいです!」と意気込みを語った。

公演は、4月9日(月)から5月12日(土)まで東京・帝国劇場、6月2日(土)から25日(月)大阪・新歌舞伎座、7月3日(火)から30日(月)まで福岡・博多座にて上演。東京・大阪公演のチケットは発売中。

取材・文:岩本和子