鈴木啓太(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 鈴木啓太(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

10月5日(土)にキックオフを迎えるさいたまダービーは、両軍にとってシーズン終盤のターニングポイントになる戦いと言えよう。浦和レッズは首位・横浜F・マリノスに勝ち点4差の3位からさらに浮上するために、大宮アルディージャは21戦無敗のJ1記録を更新しながら、8連敗、1勝挟んで現在3連敗という悪い流れを断ち切るために、さいたまダービーはうってつけの試合である。ただの1試合ではない。さいたまダービーには、その後の状況を変化させるだけの力がある。

「10月5日(土)浦和レッズ対大宮アルディージャ J1リーグ戦」チケット情報

両軍とも、ここ最近は思うような結果を残せていない。浦和は25節にFC東京との打ち合いに敗れると、26節では15位・ヴァンフォーレ甲府に終了間際に同点に追いつかれ、27節も16位・湘南ベルマーレを相手に引き分けに持ち込むのがやっと。横浜FM、サンフレッチェ広島に続く3位をキープしているが、4位・鹿島アントラーズが勝ち点1差に迫っている。試合を決めきれず同点に追いつかれるなど、やられているのは同じパターンだ。先制しても2点目、3点目を決めて止めを刺すことも、1点のリードを守り切ることもできていない。これは浦和らしくない。

大宮の状況はさらに深刻だ。3連敗となった27節は、F東京に5失点を喫した。戦線離脱した金澤慎&青木拓矢に代わって、中盤の底に和田拓也&高橋祥平が入ったが、阿吽のコンビネーションを求めるのは酷な話である。むしろ、交代するまでボールホルダーを追い回した和田のパフォーマンスを褒めるべきである。では、大宮の課題はどこにあるのか。早い時間帯での失点である。各チームとも後半により多く失点を喫する傾向がある中、大宮は前半15分までに最も点を取られている(38失点中10失点が0~15分の失点)。先制を許し、後手に回る悪循環に陥っている。前半戦の大宮と真逆の試合展開だ。

だからこそのさいたまダービーである。浦和は興梠慎三、原口元気、柏木陽介のトライアングルで多彩な攻めを見せるだけではなく、組織的な守備で1-0でもしっかり勝ち切る試合を見せたい。阿部勇樹&鈴木啓太のボランチがボールを回収し、ピンチを未然に防げば、最後まで優勝戦線に絡んでいけることだろう。

大宮としては、全員が骨惜しみしない連動した守備からノヴァコヴィッチ、ズラタンの決定力に賭けたいところ。徹底したマンマークで、むしろ浦和に攻めさせながらも決定的なピンチを回避する7節の再現を狙う。

順位は浦和が上を行き、対戦成績では7勝5分5敗と大宮が分がいい。意地と意地がぶつかるさいたまダービーで勝ち点3と浮上のきっかけを掴むのはどっちだ。浦和×大宮は10月5日(土)・埼玉スタジアム2002でキックオフ。チケット発売中。