『ダイアナ』で主演を務めたナオミ・ワッツ(C)2013 Caught in Flight Films Limited. All RIghts Reserved (C)Laurie Sparham

ナオミ・ワッツが36歳でこの世を去った元英国皇太子妃を演じた映画『ダイアナ』が18日(金)から公開される。人々の“心のプリンセス”であることを願い続けた女性をワッツをどう演じたのだろうか?

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本作は、英国王室との確執や、執拗なマスコミの攻勢と戦いながら、新たな恋を見つけ、自分の進むべき道を見出していったダイアナの晩年を丹念な調査を基に描いた作品だ。「実際OKする気になるまで随分時間がかかりました。なぜなら私達の時代で最も有名な女性を演じるなんて、考えただけで神経がすりへるようなことですから」というワッツは、悩んだ末に出演オファーを受けた。「脚本もよく書けていましたし、多くの情報があったにもかかわらず、彼女の人生について、つまり、この愛の物語のことは知らなかったことに気づきました。女優というのは、複雑で矛盾を抱えた女性を演じたいと思っています。ひとつの側面しか持たない女性を演じるのは退屈で、そういった映画はまったく面白くありません。私はダイアナのすべてが好きになりました」。

そこで彼女は入手可能な資料と映像をすべて収集し、リサーチを開始した。「単なる真似では終わりたくないと思いました。演技は物語そのものであり、真実を映し、解釈を表現するべきです。でも、できる限り正確に再現することも大切だとも思いました」という彼女は、リサーチを続ける中で、これまで知らなかったダイアナの“新たな側面”を発見していった。「私が演じる上で一番大切にしたのは、ダイアナ妃のもっていたユーモアでした。彼女がユーモアにあふれた女性だったというのは大きな発見でした。笑いを誘うような冗談も言った。一途で情熱的な人だったというのは、かなり知られた一面だけれど、あと反逆心もあった。そしてそれを貫徹する勇気も」。

おそらくこの映画を観た観客は、これまで繰り返し観てきた“カメラの前のダイアナ”が見事に再現されていることに驚き、“誰も知らなかったダイアナ”に先ほどとは違った驚きを感じることになるだろう。「彼女は生身の人間でした。私は彼女を現実的に描きたかった。人間誰もがそうであるように、矛盾や疑問を多く抱えていました。入手した情報を使わず単に彼女を美化しただけでは、現実味はでなかったと思う。単なるプリンセスとして彼女を描くのではなく、ひとりの人間としていろんな面を描きたかったのです」。

『ダイアナ』
10月18日(金)より、TOHOシネマズ有楽座ほかにて全国ロードショー