ソフィア・コッポラ監督

第26回東京国際映画祭の特別招待作品『ブリングリング』が18日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、来日中のソフィア・コッポラ監督が上映前の舞台あいさつに立った。コッポラ監督の来日は『SOMEWHERE』のプロモーション以来、約3年ぶりで、同映画祭に参加するのは今回が初となる。

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親日家として知られ、たびたび日本の地を踏んでいるコッポラ監督だが、ファンと直接交流する機会は今回がほぼ初めてだといい「こうして皆さんの前に立てることをとても嬉しく思っています。長年、私の作品を応援してくださり、とても感謝しています」と感無量の面持ち。また、前夜に開催されたオープニングセレモニーでは、父親で本作の製作総指揮を務めるフランシス・フォード・コッポラ氏とともに、グリーンカーペットに登場し、「素晴らしい思い出になりました」と笑顔で話した。

アメリカの高級住宅街ビバリーヒルズで実際に起こった若者による窃盗事件を映画化。ハリウッド・セレブに憧れる若者たちが窃盗団“ブリングリング”を結成し、SNSを駆使してセレブ宅に侵入し盗みを繰り返していく様と事件の顛末を描く。

実話を映画化するのは初めての経験で「当事者にも会い、彼らの言葉をそのまま引用したシーンもある」とリサーチを重ねた製作過程を明かし、「10年前なら起こりえない事件。セレブ信仰やSNSの暴走といった若者カルチャーを象徴する出来事で、非常に現実性を感じた」と映画が内包する時代性に言及した。

『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソン、女優ヴェラ・ファーミガの末の妹タイッサ・ファーミガら若いキャストが顔を揃えており、「エマの起用は、私自身にも意外な結果だった。最初は窃盗団という役どころと、彼女のイメージがかけ離れていたから。でも実際に会ってみると、役に対する熱意を強く感じたの。カリフォルニアなまりも見事に習得し、驚くほどの変身ぶりだったわ」と振り返っていた。

『ブリングリング』
12月14日(土) 渋谷シネクイント ほか 全国順次ロードショー