Ryuji(Vo)

ミュージカル『刀剣乱舞』、ドラマ『御茶ノ水ロック』など舞台からドラマまでひっぱりだこの人気俳優・佐藤流司が、ロックボーカリスト・Ryujiとしてスタートさせたバンドプロジェクト「The Brow Beat」。

彼らの初ツアー「The Brow Beat Live Tour 2018 “Ragnarök”」のファイナル公演が、2月4日に東京のEX THEATER ROPPONGIにて行われた。

トータルプロデュースにPENICILLINのHAKUEIを迎え、1月にリリースしたアルバム『ラグナロク』を引っさげて全国4大都市を回った同ツアーは、チケットが全公演即日完売。開演を待つ満員の会場には高揚感が満ちていた。

定刻通りに暗転し、スクリーンに映し出されたThe Brow Beatの世界観を象徴するオープニング映像に合わせてハンズクラップが起こる。“Are you ready?”の文字が浮かび上がると大歓声が会場を揺らした。

最初に放たれたのはアルバム『ラグナロク』の1曲目より、『アイリス』だ。疾走感溢れるポップロックチューンが、ファンを一気にThe Brow Beatの世界へと引き込んでいく。マイクスタンドの前で微笑む存在感、真摯に響くロングトーン……、これが初ツアーとは思えない程華やかなRyujiに、筆者は非常に驚かされた。「このライブが、既存の音楽業界の“ラグナロク”だ!」と言わんばかりの新しいロックスターの誕生を、確かに感じる。

Ryuji(Vo)

「盛り上がっていこうぜ!」(Ryuji)

爆裂音と吹き上がるCO2、Ryujiの叫びを合図にアッパーチューン『日本』へ。フロアギリギリに身を乗り出してファンにニヤリと笑いかけ、誘うように投げキッスをするRyuji。

ステージを悠々と縦横無尽に暴れまわり、“時代を彩る華になれ”という歌詞を体現するかのようにパフォーマンスをする彼に、「とんでもないロック・ボーカリストが誕生してしまった……!」と筆者はまたもや度肝を抜かれる。

「ツアーファイナルおめでとうございます。楽しみ方は自由なんで、暴れたい人は暴れて、じっくり見たい人はじっくり見て、思い思い勝手に楽しんでいけよ! 盛り上がっていきましょう!」(Ryuji)

和風ロマンテイストなロックナンバー『ジセイノク』、エモーショナルな『Scarlet Syndrome』……、と毛色の違うアッパーチューンが立て続けにドロップされると、会場に2階席のプレスエリアまで吹き上がるような熱気がたちこめた。つき上がる拳や割れんばかりのコールに、Ryujiも負けじと絶唱し、ヘッドバンキング! 高めあうフロアとアーティストの、鮮烈な姿が非常に印象的だ。

繊細な日本のロックバラード然とした『unlost』では、Ryujiのボーカリストとしての実力の奥行きを見せつけた。MCも無しに、先程までの熱いアッパーチューンの猛攻とは180度違う世界観を歌い上げ、会場を引き込んでいく。“歌は心”とよく言うが、彼の“心”を表現する歌声には、役者としてのバックボーンが美しく生きているのだろう。

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