親がこんな状態なのはおかしいのだ、と気がついたのは高校生の頃で、仲良しの友達が『両親が結婚記念日でふたりで食事に行っていた』と話すのを聞いて、うちは絶対にないなと思ったし『親の仲はいいのが普通なのだ』と改めて知りました。

それからは母も父も何となく遠ざけたくなり、弟は『お父さんが頼りないせいだ』と言っていたけれど、早く家を出たいと考えましたね。

私が県外の専門学校に行きたいと母に話したとき、『お父さんにも自分で話してね』と言われて、その頃は父と会話をすること自体減っていたのでイヤだなあと思いました。

進学で引っ越すまでは家では自分の部屋に閉じこもっていたため親の状況はわからないですが、成人式が終わった年の夏に離婚すると母から言われたとき、どこかで『やっぱりこうなった』と思う自分がいました。

今は母とだけ連絡を取り合っていて父とは疎遠ですが、こんな夫婦にはなりたくないと思っています」(女性/26歳/美容師)

自分の親のあり方について、ほかの家族の状態を見て初めて「異常なのだ」と知る人は多いもの。

だからといって夫婦のことを子がどうにかできることなどほとんどなく、結局はどちらかを恨んだり両方を遠ざけたり、家を出れば一気に距離ができるのもよくあることです。

我が子に「こうはなりたくない」と思われる自分たちについて、仮面夫婦はどう感じるのでしょうか。