衝動的な行動の理由は「その自分に耐えられない」

上のケースでは、女性は連絡もなしに訪ねて行った自分の行動について「悪かったと思うけれど、3日も連絡がなかったら不安になりますよね?」と、どこかで彼氏のせいにしようとするのが見えました。

極端にいえば「こんな行動を取らせる彼氏のほうが悪い」と思いたいのが彼女の気持ちであって、それは部屋に上がらせることもせずわずか数分の立ち話で自分を帰らせた彼氏への恨みも、含まれているのかもと感じます。

「距離を置こうと言われていたのだよね?」と尋ねると、「そうですが、具体的に何日とか出なかったので、いつまで待てばいいのかわかりませんでした」と女性はうなだれます。

先の見えない中途半端な状態は彼女にとって不安でしかなく、筆者は「まだ3日」と感じても彼女には「もう3日」、自分がどう思われているのかわからない日々が苦しかったのだとわかります。

その結果「こちらから会いに行けばいいのだ」と思いついて行動を起こし、彼氏の嫌悪を深める状況になってしまいました。

衝動は、「その自分に耐えられない」ことで生まれます。

「とにかく何とかしなければ」の焦りが強く、相手の状態や思いを確認する心の余裕はありません。

嫌われたくない、仲直りしたい、そう思うけれど「叶わない可能性がある」とき、振られる自分を回避するために極端な行動に出て相手の気持ちを変えようとします。

その自分が相手にどう思われるか想像できないため、本当ならやらないほうがいいことでも「自分のために」起こしてしまうのが問題といえます。