気が遠くなるぐらい1個1個丁寧に作っていた

生地を注いだ型をオーブンで焼くこと約1時間半。

【LE TREIZE】 オーブンで焼いていたカヌレをおもむろに取り出したかと思うと……

この間パティシエは暇を持て余していたわけではなかった。

「焼いていると生地が膨らんできます。生地がなじむように、カヌレ型をひとつひとつ天板で叩きます」

焼きはじめてから20分後と、その15分後に再び型を叩く。その後の状態を見極め、もう一度やることもあるそうだ。

「手がかかるからこそ可愛いんです」

【LE TREIZE】 焼き上がったカヌレをひとつひとつ型からはずしていく
【LE TREIZE】 焼き上がったばかりのカヌレ。軍手を3枚重ねでないとさわれないぐらい高温だそうだ

焼き上がったカヌレを1個1個型からはずしていく。

厨房にはラム酒というか、カヌレ特有の芳しい香りがたちのぼっていた。