マルキーニョス(横浜F・マリノス) (c)J.LEAGUE PHOTOS マルキーニョス(横浜F・マリノス) (c)J.LEAGUE PHOTOS

泣いても笑っても残り90分間でチャンピオンが決まる。横浜F・マリノスの9年ぶりの優勝か、サンフレッチェ広島の2連覇か、はたまた鹿島アントラーズの奇跡の大逆転Vか。答えは12月7日(土)・J1リーグ戦第34節で出る。

12/7(土)鹿島アントラーズ対サンフレッチェ広島 J1リーグ戦 チケット情報

第33節、J1リーグ最多記録となる6万2632人の大観衆の前でアルビレックス新潟に敗れた横浜FM・樋口靖洋監督は「我々にしか自力優勝の権利はない。そのチャンスをみすみす手放すつもりはない。(最終節は)1-0でも勝てばいい」と前を向いた。2位・広島に勝ち点2差をつける横浜FMの有利は動かない。ただ、嫌な予感も漂う。

最終戦の相手は川崎フロンターレだ。30節・鹿島戦こそ1-4と大敗を喫したが、その前後でそれぞれ3連勝。リーグ戦の通算成績はほぼ五分だが、アウェイゲームでは2勝2分5敗である。何よりも、得点ランキングを独走する大久保嘉人が3試合連続ゴールと手がつけられない状態にある。バイタルエリアで大久保、レナト、中村憲剛とスムーズにパス交換し、シュートまで持っていく川崎の攻めは、堅守を誇る横浜FMにとっても脅威だ。

では、どうするべきか。高い位置からボールを奪い、分厚い攻撃を見せるだけだ。樋口監督が就任以来こだわってきた「いい守備からのいい攻撃」を貫くしかない。そして、キーマンとなるのがマルキーニョスである。第23節以降、ゴールから遠ざかっている背番号18が決め切るか否かが勝敗を左右する。23節から横浜FMは4勝3分3敗と足踏みが続いていると言えば、マルキーニョスのJ1通算136ゴール目がいかに重要かわかるだろう。

横浜FMが勝ち点3を逃せば、12月7日(土)・カシマスタジアムでの一戦が俄然クローズアップされてくる。横浜FMが引き分けに終わり、広島が鹿島に勝利すれば、勝ち点63で両軍は並ぶ。得失点差で広島のV2が決まるのだ。

数字上は鹿島にも優勝の可能性が残るのがミソだ。横浜FMは得失点差+19で鹿島は+10。鹿島が大迫勇也らアタッカー陣だけではなくチーム全体が大量得点を狙い前かがりになれば、広島の思う壺。GK・西川周作が控えるリーグ最少失点の堅守が耐え抜き、カウンターのチャンスを虎視眈々と狙うことだろう。もちろん、百戦錬磨の鹿島は大量得点よりも現実的な勝ち点3を見据えた戦いに専念するはず。ただ、優勝のかかった90分間は何が起こっても不思議ではない。

果たして、J1リーグ戦は12月7日(土)にどんな結末を迎えるのか。横浜FMのリーグ戦4度目の優勝か、広島の連覇か、それとも……。川崎F×横浜FM・等々力陸上競技場はチケット完売。鹿島×広島・鹿島スタジアムはチケット発売中。