渡辺篤史が“小さいおうち”を探訪!(C)2014「小さいおうち」製作委員会

山田洋次監督の最新作『小さいおうち』の公式サイトで、物語の舞台となる“赤い屋根の小さいおうち”の中を360度探訪できるコンテンツ“『小さいおうち』~昭和モダンの世界へご案内~”が公開され、長寿番組『渡辺篤史の建もの探訪』で数々の“おうち”を訪問してきた渡辺篤史がコメントを寄せた。

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映画は、東京郊外に建つ赤い三角屋根の“小さいおうち”に暮らす若奥様・平井時子(松たか子)の秘められた恋愛模様が、女中のタキ(黒木華)の視点から描かれる。劇中では、山田監督が実際に見てきた昭和と平成というふたつの時代が交差しており、中でも時子が生きた時代は、西洋文化と日本文化が混じり合って生まれた昭和モダンと呼ばれた時代だ。

渡辺は「昭和初期、和洋折衷の家というのは、洋風に近い形での家づくりが流行って一般的に長屋プラスアルファくらいのイメージだったんですけど、『小さいおうち』に登場するこの家はすごいですね。ステンドグラスなどは、ヨーロッパ的ではありますが、どちらかというとアメリカの建物を意識して作られた印象を受けます」と分析。「監督が指定されたんでしょうけど、良い色合いですよね。ステンドグラス風の窓は、外の景色を良い形で見るというか、あそこまで登るとちょっと良い景色が高台から見下ろせるんじゃないかという、いずれにしても地の良さを十二分に活かしている建物ですね」と絶賛する。

また、渡辺は映画について「人生っていう川の流れがあって、そこに器を作って、水溜めて色んな魚とか波風とかが入ってくる。それが“家”だと思うんですよね。その水をすっと溜める袋みたいなものが、人生の水滴みたいな我々を袋にいれる。でもその袋ってすごい脆弱なんです。健康の問題から経済から、夫婦問題だったり親子関係だったり、問題がものすごくあるわけですよ、この器。山田洋次監督は、晩節82歳にして、そこから色々汲み取り、この映画をお撮りになったってことは本当に素晴らしいこと。本当にこれを皆に観てもらいたいです」とコメントを寄せている。

パソコン上で“小さいおうち”が探訪できるコンテンツと、各部屋についての渡辺のコメントは、映画公式サイト内で公開されている。

『小さいおうち』
2014年1月25日(土)全国ロードショー