左から、佐藤B作、波乃久里子、水谷八重子、市川春猿 左から、佐藤B作、波乃久里子、水谷八重子、市川春猿

初春新派公演『明治一代女』初日鏡開きが1月2日、東京・日本橋三越本店1階ロビーで行われ、出演者の水谷八重子、波乃久里子、市川春猿、佐藤B作が顔を揃えた。

初春新派公演『明治一代女』チケット情報

水谷は「7回この三越劇場でお正月公演を新派がやっておりますけど、これまでは、ささやかに、ささやかに劇場ロビーで鏡割りをやっておりました。華やかなこの正面の像の前で、やらせてもらえないかなと常々思っておりましたが、やっと夢がかないました」と挨拶した。

『明治一代女』は昭和10年に初演された川口松太郎の名作。花柳章太郎、水谷八重子(初代)ら名優が演じてきた新派の代表作だ。将来を誓い合う柳橋芸者のお梅(波乃久里子)と人気役者の沢村仙枝(市川春猿)。お梅への嫉妬に狂う芸者秀吉(水谷八重子)、お梅を恋慕う箱家 巳之吉(佐藤B作)。かれら4人の男女の愛と情念を描く。

鏡開き後の会見では水谷が「(クライマックスは)殺しのシーンでしょうね」と見どころを話した。「殺されるB作さんがすごく情熱的なんで、そこのところが、ほかのとは違うと思います」とアピール。佐藤は「やっと1年始まったかと思うと、新年早々殺されてしまいますからね。実際にあった話が元ですからね、心に忠実に生きようとしてすれ違ってしまう。悲しいお話ですね」と話した。

歌舞伎俳優の市川春猿は「私は普段、女形。男をやるのは慣れていないので、恥ずかしいですね。お三方の胸を借りたい」とコメント。波乃は元日、先祖の墓参りを1日かけてしていたと話し、「今年は、そこに弟が入ったので。『私のことだけ考えてなさい』と言っておきました」と、今は亡き弟の中村勘三郎を偲んだ。

公演は1月26日(日)まで東京・三越劇場にて。チケット発売中。