『エージェント:ライアン』(C)2012 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

トム・クランシーの人気小説を映画化した“ジャック・ライアン”シリーズの“始まり”を描く『エージェント:ライアン』が全米で公開された。キャストを変えながら繰り返し映画化される本シリーズは、“普通の男”が活躍するところに魅力があるようだ。

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本シリーズはこれまで4作品が製作され、アレック・ボールドウィン、ハリソン・フォード、ベン・アフレックがライアンを演じてきたが、最新作では『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のクリス・パインがライアンを演じ、ウォール街で働く若いアナリストのライアンがCIAのエージェントに抜擢され、情報分析能力を武器に巨大な陰謀に立ち向かう姿を描く。

ジャック・ライアンは、生まれながらの暗殺者でも変装の名人でもない。どんな悪女もトリコにしてしまうほどの魅力もない。しかし、そこに本シリーズの魅力がある。先ごろ行われたLAプレミアでパインは「ジャック・ライアンはどこにでもいるごく普通の男でジェイソン・ボーンやジェームス・ボンドのようなヒーローとは違う」と分析する。もちろん、ライアンの悩みも“普通”だ。彼は地球規模のテロに立ち向かうことになるが、どうやって危機を回避するかについて悩むのと同じぐらい深刻に“婚約者に自分の仕事を説明できない”ことに悩んでいる。婚約者を演じたナイトレイは「私がこの作品で興味を持ったのはCIAとか秘密を持つことが恋愛にどのような影響を与えるか?ということね。彼女は彼に秘密があると思って悩んでいるの。でも彼は彼女との結婚を考えているからCIAにいることを告げる。ストーリーを通して、そのことに対して様々な誤解が生じるの。そこが面白いと思った」と語る。

戦闘能力が高いわけではない、秘密道具もないライアンだが、持ち前の分析能力の高さを発揮し、自身を導いてくれるCIAのリクルーター、ハーパーの協力を得て事態にあたる。ハーパーを演じたコスナーは「この映画の中の私の仕事は、人をリクルートすることなんだ。彼には人を見る目がある。ライアンにはハーパーが求める必要な要素が備わっていた」という。

ライアンの初めて任務を描いた本作は、観ていてどこか危なっかしいが、これまでのスパイ映画にはない生々しさやドキドキがあるのではないだろうか。

『エージェント:ライアン』
2月14日(金)先行公開・15日(土)全国公開