(左から)中江有里、綾戸智恵

ジャズシンガーの綾戸智恵と、女優で脚本家としても活躍する中江有里が5日、都内で行われた米仏合作映画『エヴァの告白』のPRイベントに出席した。

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ポーランドを離れて新天地アメリカに移住するも、結核にかかった妹の薬代を稼ぐためにバーレスクのダンサーになった姉・エヴァの過酷な運命と愛憎を描き、カンヌ映画祭コンペティション部門に選出されたヒューマンドラマ。『アンダーカヴァー』のジェームズ・グレイ監督がメガホンを執った。

唯一の肉親である妹のために、すべてを犠牲にするヒロインの姿に「やっぱり命がけで守りたいのは家族。自分にとっては柱で、仕事ができているのは夢のおまけのようなもの」(綾戸)、「脚本を書く上で家族は欠かせないテーマ。この映画を観ると人間、愛する者に自分を捧げられるんだと思う」(中江)と話していた。

本作ではマリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナーという豪華スターの共演が実現。綾戸はフェニックスの演技にほれ込んだ様子で「ホアキン、よろしいなあ。連れて帰りたいわあ」とうっとり。フェニックス演じる売春あっせん業の男・ブルーノは不器用な性格で「愛する人をどう愛したらいいかわからない男やな。今の日本にも言えるんちゃうか」と持論を展開した。

一方、中江は「登場人物は皆、翻ろうされているように見えるが、結果的には自分の道を見つけただけ」と達観した意見。現在は女優業に加えて、執筆でも才能を発揮しており「もともと物書きになりたかったが、どうすればよいか分からず、お誘いを受けるままに芸能界に入った。実際やってみると、そんな甘い世界ではありませんでしたが…」と“告白”すると、綾戸は「若いのにしっかりしてるわ」と感心していた。

『エヴァの告白』
2月14日(金)全国順次ロードショー

取材・文・写真:内田 涼