(写真左より)日本ラグビーフットボール協会岩渕健輔専務理事、エディー・ジョーンズ日本代表HC、土田雅人会長

デスゾーンを勝ち抜くための再出発である。『ラグビーワールドカップ(RWC)』準々決勝以上を勝ち上がるための再登板である。12月14日、エディー・ジョーンズの次期日本代表ヘッドコーチ(HC)決定記者会見が行われた。記者会見に登壇した日本ラグビーフットボール協会(JRFU)土田雅人会長、岩渕健輔専務理事、ジョーンズHCは次のようにコメントした。

土田会長「日本代表の強化、発展のため、エディーHCがベストだと考えている。私どもは『RWC』の舞台で日本代表が優勝、頂点に立つことを目指し、リーグワンとともに挑戦していく。エディー氏を再び日本に迎え、2027年『RWC』優勝へ向けて、新たなスタートを切られることをうれしく思う」
岩渕専務理事「来年はハイパフォーマンスユニオン、トップ10に入るようなチームと試合が組んでいる。今後『RWC2027』に向かって、いかにいいプログラムを組んでいくか、それがJRFUの大きな仕事。今選手たちはベスト8、その先にいこうとしている。そのためのプログラムをしっかり組んでいきたい」
ジョーンズHC「2015年以来、さらに飛躍して強くなった日本をコーチングできて光栄に思う。当時よりリーグワン、大学ラグビーもレベルアップしている。強いだけではなく、国民に愛される競技、チーム、選手たちになっている。ただ強いチームには特色がある。日本をアイデンティティを持ったチームにしたい。より速いラグビーをしたい。相手よりも素早く動き、早くレスポンスするラグビーをしたい」

母国で開催される『RWC2027』での目標を問われると、ジョーンズHCはこのように返答した。
「いくつかターゲットがあるが、まずベスト8を必ず決めたい。2019年はベスト8に入ったが、2023年は達成できなかったので、毎回ベスト8は果たせるようにしたい」

ジョーンズHCが頭に描く速いラグビーとは?
「日本には“超速ラグビー”が必要だと考えている。走るだけではなく、15人全員が素早く決断して素早く動くことが重要。 “ラグビー脳”を早く判断できるように、育成年代の強化が大事だと考えている。若い才能を最大化するシステム、高校から大学、大学から社会人とうまくつないでいくシステムも必要。そして日本では大学は大学、社会人は社会人と分かれているので、一貫性を持ったフィロソフィーが必要になってくる」

ファンへのメッセージを求められると、ジョーンズHCはこう語った。
「トップチームを作っていくのはエキサイティングな仕事。アイルランドを見てもわかるが国を挙げて強化してきた。フランスもそう。だが、彼らはベスト8で終わった。ベストを尽くしたからと言ってベストな結果を得られるとは限らないが、我々ができるのはベストを尽くしていくこと。日本の人たちが誇りに思えるようなチームを作るために、私が知っている限り、あらゆることをしていきたい」