『早熟のアイオワ』(C)The Poker House LLC 2009

オスカー女優ジェニファー・ローレンスの主演作『早熟のアイオワ』が22日(土)より公開される。本作は2008年に製作された作品で撮影時17歳だった彼女の初主演作だ。6年の時を経てついに日本初公開となるタイミングで、米公開前の彼女のインタビュー素材が公開された。

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本作は、女優としても活躍するロリ・ペティが自らの少女時代を反映させて監督した作品。ドラッグの売人たちが賭博や売春目的で集っていた“ポーカー・ハウス”と呼ばれる家で育ち、売春婦の母親の下、過酷な日常を生きる少女たちの姿を描いており、ジェニファーは、母親に売春を強要されながらも死に物狂いで妹たちを守ろうとする14歳の少女アグネスを、『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツが妹役を演じている。

当時、女優としてのキャリアをスタートさせたばかりのローレンスは「ただ楽しそう」というだけの理由でオーディションに参加し役を得たが、映画完成した段階では「この脚本がいかに面白くて素晴らしいか分かるようになったの。この脚本には牙があって、とてもリアルだし、醜い。そういう普段は魅力的に感じないものに、逆に魅了された」と語る。さらに本作は監督が体験した出来事を、ほぼそのまま映画にしていることも彼女にとって大きな意味を持っていたようだ。「彼女は自分の頭の中にあるものを取り出して、彼女が聞いて感じたのと同じように、それを全員に正確に伝えることが出来るの。彼女はコミュニケーションの方法をすごくわかっているのよ。きっとそれは彼女が女優だから、私にどう伝えるのがベストなのかわかっているからなのね」。

現在では『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』で演技派として活躍する一方、『ハンガー・ゲーム』や『X-MEN』など超大作シリーズにも出演しているローレンスだが、2008年の彼女は歩き始めたばかりの“新人”女優。「たくさんのことを監督からは学んだわ。彼女は私が初めて仕事をした監督のひとり」と初々しいコメントを残している。

とは言え、その後の活躍を予感させるような繊細な演技と、鋭い表情は本作でも見られ、彼女は本作の演技でロサンゼルス映画祭の優秀演技賞に輝き、本作から2年後に製作された『ウィンターズ・ボーン』で一気に注目を集めることになる。今後も人気作への出演や名監督とのタッグが期待されるローレンスの“原点”をスクリーンで堪能してみてはどうだろうか。

『早熟のアイオワ』
2月22日(土)新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開