“自分”を知って次に活かすのが強さ

実那子さんは、元彼に手ひどく拒絶され友人にも呆れられた後で、もう一度「依存について考えた」といいます。

別れた原因を解決したつもりになっていたけれど、それは表面上のことだった、「彼はそう受け取ったに違いない」、一方的に自分の気持ちを押し付けようとした自分を振り返れば、元彼の状態を無視していたことがわかります。

どうして無視できるのか、

「元彼さんは自分を受け止めるべきだって気持ちがまだあったのですよね」

と尋ねると、実那子さんは黙ってうなずきました。

自分と等しく相手にも事情や気持ちがあるのだ、と実感を持って知るには、こんな要求を捨てる強さが必須です。

相手の状態を正しく受け止めるには自分の要求を持ち込まないこと、自分の正解を相手にも押し付けないことが、心の自立ではないでしょうか。

「あの人とは、もうやり直せないと思います。

でも、ただ好きなだけではダメなのだ、その人の気持ちを知らないといい関係は持てないのだってわかりました。

もっと相手を大切にできる自分になりたいです」

そうつぶやく実那子さんは、未練を持ち続けるのではなくこの失敗を次に活かすことを考えていました。

依存とは何なのか、自分の何を見て相手は依存だと感じるのか、その想像ができると「やらない」選択ができます。

自分を知ることで「次」を変えていく、それが強さになるのだと信じています。

自分を変えようとする意識は決して間違ってはおらず、ただ伝え方を間違えると相手に受け止めてはもらえないのが事実で、そこまで思考を伸ばすのが自分のためだと感じます。

自分と等しく相手にも事情や気持ちがあり、確認していく姿勢が尊重になることを、忘れたくないですね。