『1/11 じゅういちぶんのいち』で主演を務める池岡亮介

ジャンプSQ.に連載されている中村尚儁(なかむらたかとし)氏の人気コミックを映画化した『1/11 じゅういちぶんのいち』が完成し28日、東京・テアトル新宿で完成披露試写会が行われた。主演を務める若手俳優集団D-BOYSの池岡亮介と、片岡翔監督が舞台あいさつに登壇。それぞれ初の主演作、初の長編商業映画というフレッシュなふたりが、本作完成に感激の表情を見せていた。

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一度は捨てたサッカーへの情熱を再び取り戻す少年・安藤ソラの奮闘の日々をドラマチックに描く本作。女子サッカー日本代表の若宮四季との出会いをきっかけに、諦めかけた夢に再び向き合う主人公を、池岡がさわやかに好演しており「(演技の)経験も少なく、いろんなプレッシャーが課せられたが、それを忘れてしまうほど暖かい現場だった」と振り返っていた。

片岡監督は、短編『くらげくん』が第32回ぴあフィルムフェスティバルで準グランプリを受賞し、全国各地の映画祭で7つのグランプリを含む13冠を達成。長編デビューが期待されていた逸材で、「ようやくひとつ、大きな目標を達成することができた」と感無量。脚本も手掛け、執筆に約2年を費やしたそうで「同じメッセージを描くにも、漫画とは違う表現をしないと、映画では伝わらない」と苦労を語った。

また、主演を務めた池岡については「すごく前向きで、ソラにそっくりという印象。性格もまじめで、運動神経がいいからサッカーもすぐに上達した」と太鼓判を押した。本編のお披露目を前に「この映画が夢を追う人の勇気になれば」(池岡)、「暗いニュースが多い時代だが、子どもたちにとって、明るい未来を切り開くきっかけになってほしい」(片岡監督)と本作への思いを熱弁した。

『1/11 じゅういちぶんのいち』
4月5日(土)よりシネ・リーブル池袋、TOHOシネマズ川崎ほか全国公開

取材・文・写真:内田 涼