「友達以上恋人未満」だから口にできないこと

「結局、私も彼と話したくなって、会っていました。

前のようにドライブはやめて、ご飯を食べたらそこで解散していました。

電話は避けましたね、いつも長くなるし会っているときより気楽になれるのでいろいろ言ってしまうので」

女性なりに男友達への接し方を考え、「周りから恋人関係と勘違いされる」ような関わりはしないと決めていました。

そんな女性を見て、男友達のほうも自分と距離を取りたがっているとやっと感じたのか、一ヶ月くらいすると食事の誘いはなくなったそうです。

鳴らなくなったスマートフォンを気にする時間は増えたけれど、男友達の気配が薄らぐことで女性は「ひとりの自分」を実感し、改めて恋愛について考えることができたといいます。

「いつもそばにいるとそれが当たり前になって、いなくなったときのこととか今後のこととか、想像ができないのですね。

彼と明らかに距離ができたなと感じたとき、寂しかったけど私には必要なことだと思いました」

そう話す女性の胸に同時に浮かんだのは、こうやって深いつながりが消えていくとき、その理由を説明できないもどかしさでした。

ただの男友達とは言い切れないような心の距離があって、でも恋人のように立場のはっきりした関係でない以上は、離れるときに「あなたではない人と恋愛がしたいから」とはわざわざ口にできず、そんな自分が不誠実ではないかと葛藤があったといいます。

「友達以上恋人未満」だからこそ、ふたりの状態を変えることにも「曖昧でも当然」のような空気があり、「その変化を望んだのは自分だけ」という後ろめたさが女性を苦しめていました。

置いてけぼりにされる男友達の気持ちを想像すれば「胸が苦しく」、でも今まで通りではいられない自分の気持ちも無視できず、この時間が一番つらかったと女性は振り返ります。