勝つための準備はするし、勝つつもりでもいます

撮影/稲澤朝博

――本作のサブタイトルは「勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」ですが、勝負事に対しては熱くなるタイプですか。

鈴鹿:勝てるなら勝ちたいよね。

奥平:うん。勝てるに越したことはない。

鈴鹿:でも、負けたら終わりとか、そういうふうにはならないです。楽しむことが第一なので、楽しみながら勝てればいいなと。

奥平:僕は勝負の内容がくだらなければ、くだらないほど勝ちたいと思うほうかも(笑)。例えば、学生時代にやっていたゴミ捨てじゃんけんとか。負けてもゴミを捨てに行くだけのことだから、なんてことないんですけど、すごく勝ちたいって思ってたな、あのときは。逆に大きな勝負事とかは、勝ちたいとは思いますけど、勝つことがすべてではないと思います。

鈴鹿:高校生の頃、バトミントン部だったんですけど、その最後の大会の団体戦で、僕が負けてしまって、結果、チームが負けてしまったんです。

そのときは本当に悔しくて泣きましたし、もう絶対に負けたくないと思ったのですが、当時のチームメイトや先生がかけてくれた言葉とか、一緒に過ごしてきた時間とかを考えると、失ったものより、得たもののほうが大きかったと思えました。

だからと言って、負けていいということではなくて。その勝負に対して真剣に向き合っていたからこそ、得られたものだから、つねに勝つための準備はするし、勝つつもりでもいます。

撮影/稲澤朝博

――俳優の仕事をしていて、勝負魂が触発されるようなことはありますか。

鈴鹿:あまりないです。例えば、オーディションに落ちたとしても、タイミングもあるし、その作品に合う、合わないとか、理由はいろんなパターンがあるので。

それに、落ちたとしても、その期間に別の作品が入ったりしたら、きっとこっちの作品のほうが自分には巡り合わせとして良かったんだと思うタイプで。作品に入れば、他の俳優さんと勝負するようなこともないですし、技の見せ合いとかでもないと思っています。

奥平:そうですね。ただ勝負事とは違うかもしれないけど、例えば、「このシーンは1回でやりたい」ってときは、感覚が勝負に近いかもしれないです。誰と勝負するわけでもなく、自分との勝負だと思うんですけど、「一発で終わらせたい」と思うことはあります。でも僕もそのくらいで。誰かに勝ちたいとか、そういう気持ちはないですね。

撮影/稲澤朝博


実話をモチーフとした本作は、劇中の「全国高校eスポーツ大会」にあたる「全国高校eスポーツ選手権」に出演したメンバーたちが通っていた阿南工業高等専門学校を始め、徳島県でのロケを実施。

撮影期間中は同じホテルに泊まっていたという奥平さんと、鈴鹿さんは、取材中も同級生のような雰囲気で、お互いの話に頷いたり、写真撮影の際にはカメラマンさんのリクエストに応えてふざけ合ったり、仲の良さが垣間見れる瞬間が多々ありました。そんなお二人が演じた青春の物語を、ぜひ劇場でお楽しみください。

ヘアメイク/速水昭仁[CHUUNi](奥平大兼)、永瀬多壱[VANITES](鈴鹿央士)
スタイリング/伊藤省吾[sitor](奥平大兼)、梶原浩敬[Stie-lo]

作品紹介

映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』
2024年3月8日(金)より全国公開