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3月21日(金)より公開の映画『ウォルト・ディズニーの約束』は、名作映画『メリー・ポピンズ』が生まれるまでの実話を映画化。先日行われたウレぴあ総研の独占試写会では上映後にアンケートを行い、観た後「感動した」「涙が出た」「切なかった」と答えた人が半数を超えた。

"なぜこの映画がそんなに多くの人の心を動かしたのか?"を紐解くとミッキーマウスと夢の国「ディズニーランド」を生み出した偉大な人物、ウォルト・ディズニーの知られざる一面が描かれている点が要因として大きい。

実は名作『メリー・ポピンズ』の誕生の裏には映画化を頑なに拒む、原作者P.L.トラヴァースの存在があった。強くこの作品の映画化を望んだウォルトだったが、トラヴァースはなかなか契約書に判を押さなかった。誰もが不可能と思ったこの映画製作をウォルトはどのような”魔法”で実現し、成功へと導いたのか?

ここで、映画『ウォルト・ディズニーの約束』を通して、不可能を可能にしてしまうウォルト・ディズニーのビジネス精神を見習ってみたい。

1. 相手の喜ぶ顔が大好物!「おもてなし」の心を忘れない

 

徹底的に相手をもてなすのがウォルト・ディズニー流。映画化を頑なに断り続けていた『メリー・ポピンズ』の原作者トラヴァースだが、ついに話し合う意思を見せ、カリフォルニアにあるディズニースタジオにやってくることに。

彼女が空港に到着するやいなや、リムジンでお出迎え(専用運転手付き!)。ホテルの室内もミッキーやミニーのぬいぐるみがあちこちに置かれ、風船が周囲に飛び交うといった、まるでディズニーランドの一部のような演出でお出迎え。「とにかく人の喜ぶ顔がみたい」というのがウォルトのポリシーなのだ。
 

2.子どもの頃の気持ちを忘れず、家族を大事にする

 

頑固で気むずかしいトラヴァースを本人そっくりに演じきったエマ・トンプソン

ウォルト・ディズニーが『メリー・ポピンズ』の映画化にこだわったのは、20年以上にもなる。

もともとは娘の愛読書で、彼も興味を惹かれて読んでみると、たちまち魅了された。「パパが絶対これを映画化する!」と約束したウォルト。彼はトラヴァースに会うと、自身の想像力あふれる絵コンテや、シャーマン兄弟の手がけた軽快なミュージカルナンバーを披露して、彼女の心をつかもうと努力するが、彼女はその奔放なウォルトの発想にまったく乗り気ではない。

どんなに彼女にダメ出しをされても、「映画化する」という思いを捨てようとはしない、ウォルト。その気持ちがブレない根底には「娘との約束」があったからだ。

素顔のウォルトもパーティや会合などは好まず、家族と過ごすのがいちばんと考えていたようだ。

3. 頑固だが、相手を理解しようと努める

 

ウォルトもトラヴァースに負けず、頑固だ。

「私の物語がハリウッドの軽薄さで台無しにされてしまう」だの「アニメーションはダメ、ミュージカルなんて論外よ!」だのとウォルトの創作が何もかも気に入らないトラヴァースだが、彼はめげず、自分が信じているものを貫こうとする。

そして同時に、彼女を理解しようと極力努め、嫌がる彼女をディズニーランドに招待して、一緒にメリーゴーランドに乗っては彼女の違った一面を観察するのだった。

 

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