恋愛をしているつもりだった女性

32歳のある女性は、「女子校育ちのこともあって、男の人のことがよくわからなくて」と、これまで男性とまともにお付き合いをしたことがありませんでした。

地元の女子大を卒業して社会人となってからは、会社のなかや友人と入ったサークルなどで男性と知り合う機会が一気に増えましたが、恋愛に発展するようなつながりを築けませんでした。

「いいなと思う人はいるのですが、LINEのIDを交換しても何を話せばいいかわからないし、デートも相手に合わせるばかりで楽しいと思えなくて。

男の人って、自分の言う通りにする女の子が好きですよね」

こんな感想が出るのは、同性の友人に接するような気軽さを男性に嫌がられた経験をしたから。

「食事に行くお店を『こっちがいいな』と言ったら不機嫌になる男の人もいて、理由がわからなかったです。

でも、好きだと思うから仲良くなりたいし、友達のままたまに会うようなくらいでも私はよかったですね」

自分では恋愛をしているつもりだったこの女性は、「向こうも私に気があるから連絡をくれるのだろう」と、距離感のある接し方でも受け入れていたそうです。

男性と付き合ったことがなく、告白をされた経験もなかった女性は、自分から行動しても否定されることが怖くなり、流れに任せていました。

あるとき、友人と買い物をしていると友人の男友達と出くわし、三人でお茶をしたら話が盛り上がり、「たくさん質問してくれるし、気が合いそう」と思ったこの女性は、自分からLINEで話すことを提案します。

ふたりきりでの会話もそれなりに弾み、女性は「好きかも」と恋愛感情を覚えたそうです。

その時点で、女性には上記のように週に一度は会う「好きな人」がいました。