会見より。左から、小林香(作・演出)、保坂知寿、中川晃教、クミコ、岡本知高、彩輝なお 会見より。左から、小林香(作・演出)、保坂知寿、中川晃教、クミコ、岡本知高、彩輝なお

日本を代表するシャンソン歌手クミコ、シンガーソングライターでありミュージカルでも活躍する中川晃教、奇跡のソプラニスタ岡本知高、元宝塚トップスター彩輝なお、劇団四季で看板女優として活躍した保坂知寿ら、異業種のトップランナーが集まる音楽劇『SHOW-ismⅦ「ピトレスク」』が3月27日(木)に東京・シアタークリエで開幕する。初日を控えた26日、同劇場にて通し稽古が行われ、出演者たちが意気込みを語った。

SHOW-ismVII『ピトレスク』チケット情報

新しいショーの形を目指し、演出家・小林香が美意識に溢れた舞台を創作する人気の<SHOW-ism>シリーズ。第7弾となる今回は、1942年ナチス占領下のパリが舞台。ドイツ軍に閉鎖されてしまったキャバレーを再開させようと、関係者たちが夜な夜なとある工場の地下に集まりショーを作っている。メンバーは元キャバレーの脚本家、歌手、衣裳係から、肉を卸していた肉屋にパン屋、さらには貴族階級のドイツ人、ドイツ兵、そしてユダヤ人まで多種多様な人々。彼らはさまざまな葛藤を抱きつつも、“ピトレスク=忘れられないほど美しいもの”を描き出そうと、芸術を愛する心でひとつになりレジスタンスを起こしていく。<SHOW-ism>シリーズらしく色鮮やかなショーシーンもふんだんに盛り込むも、中心に走る軸は暗い世相の中で闘う者たちの物語であり、これまでの本シリーズにないほど力強く、濃密。またそれぞれのジャンルでトップクラスで活躍するシンガーたちの歌声が張り合うように鳴り響き、目にも耳にもカラフルなステージになった。

会見では、30年ぶりの舞台出演となるクミコが「あまりに自分の身体や頭が言うことをきかなくてびっくりしました(苦笑)。(舞台俳優という)こんな大変なお仕事がこの世の中にあるんだ、こんな大変なことを皆さんされているんだなと尊敬してしまいました」と共演者を讃えながらも、「すごく素晴らしい作品なので、この作品のメッセージをきちんと伝えることが私の任務。最初の口当たりは「えっ」と思うかもしれませんが、最後は「うまかった!」と素晴らしい味を感じていただけると思います」とアピール。岡本は「劇中で口髭を付けるシーンがあるのですが、彩輝さんに「口髭はちょっとニコっとして貼ると痛くないのよ」と教えていただきました。さすが元男役!」とエピソードを披露。中川は「(登場人物たちは)演劇や芸術、表現というものを通じて希望を見出していこうとする、意味のある闘いをしている。様々なジャンルが出会う、一期一会のステージ」と自信の表情を見せていた。

出演はほかにJKim、風花舞、舘形比呂一、美鳳あや、三井聡。公演は3月27日(木)から4月3日(木)まで、同劇場にて。チケットは発売中。