『白ゆき姫殺人事件』 (C)2014「白ゆき姫殺人事件」製作委員会 (C)湊かなえ/集英社

公開中の映画『白ゆき姫殺人事件』は、井上真央演じる地味な主人公が“白ゆき姫”とささやかれるほど美しい女性を殺害した容疑をかけられたことから始まるサスペンスだが、劇中では『白雪姫』だけでなく古典的名作『赤毛のアン』も重要なモチーフになっている。そこで描かれる友情ドラマは多くの観客から高評価を集めており、感動の声が多くあがっているようだ。

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本作は、湊かなえの同名小説を基に、ひとつの殺人事件を巡って様々なウワサや憶測がテレビ&ネットメディアを介して増幅・拡散し、事件に関係する人間がカタチのない情報に翻弄される様を描いていく。その中で『赤毛のアン』は主人公・城野美姫の小学生時代の愛読書として登場。彼女は唯一の同級生の友人・夕子を“ダイアナ”、夕子は美姫のことを“アン”と呼び合い、夜はロウソクの炎とボール紙を用いてふたりで決めた合図を送り合う。Twitterやマスメディアなどの現代的な伝達手段が重要な役割を果たす本作において、美姫の小学生時代の“アナログ”なエピソードは印象的で、この場面は物語のラストとも大きく関係している。

この他にも、アンとギルバートの恋を連想するシーンも登場しており、『赤毛のアン』を知っている観客はより深く、多角的に映画『白ゆき姫殺人事件』を楽しみ、ラストシーンをより感動的に観賞できるのではないだろうか。

『白ゆき姫殺人事件』
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