結構際どい質問をぶつけると、「はっ、どういう意味」とこのトーンで言われる。

「ワレ、何聞いとんねん」と怒らせたとビビッてはいけない。

再度、丁寧に質問をすると、「あっ、それは……」と、普通に答えてくれるのが、アキラ兄さんである。話が興に入れば、女性たちにエルメスのバーキンのバッグをねだられれば買うというのを繰り返し、「結果、10個くらい買わされたなぁ」と懐かしい思い出に浸る表情を見せてくれたりもした。

さらに言葉のセンスも突き出ていて、自らが主催するTHE OUTSIDERを評して、「技術はないが、気持ちがある。シャモのケンカみたいに面白い」と語っていた。ちなみに前田いわく「ケンカは前口上9割、腕1割」とのこと。

 

言葉のセンスと言えば、ミノワマンのインタビューも忘れられない。

ミノワマンのインタビューはまさに名言の宝庫となる。

「1+1は2とは限らない。1+1は花にもなる」

「海で波に向かってドロップキックをしたら溺れそうになって、地球は強いなって思いました。まだまだです」

「ブラジル修行でポルトガル語の心配はありません。僕は日本語も怪しいですから」

「理想の試合は宇宙に届く試合です」

言葉の意味は理解できないが、ミノワワールドに引き込む言葉の魔術……とは言えないか。年始なので、プロレスラーのインタビューを振り返りながら、人生を歩んでいくヒントとなる名言集のようなことを書くつもりでしたが、それはまたいずれ。

あおやま・おりま 1994年の中部支局入りから、ぴあひと筋の編集人生。その大半はスポーツを担当する。元旦のサッカー天皇杯決勝から大晦日の格闘技まで、「365日いつ何時いかなる現場へも行く」が信条だったが、ここ最近は「現場はぼちぼち」。趣味は読書とスーパー銭湯通いと深酒。映画のマイベストはスカーフェイス、小説のマイベストはプリズンホテルと嗜好はかなり偏っている。