大島僚太(川崎フロンターレ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 大島僚太(川崎フロンターレ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

川崎フロンターレ・大島僚太と、鹿島アントラーズ・柴崎岳。5月10日(土)・等々力陸上競技場で激突する両軍のキーマンとなるのが、ふたりの若きボランチだ。

5月10日(土)川崎フロンターレ対鹿島アントラーズ J1リーグ戦 チケット情報

川崎と鹿島のボランチと言えば、中村憲剛と小笠原満男の存在感が際立つ。中村と小笠原は戦況、時間帯を理解したパスを出すとともに、チームに「攻め時かポゼッション重視か」メッセージを送る。チャンスと見れば、縦パス一閃。精度の高いフリーキックも誇る。そんな身近で最高の手本とコンビを組む大島と柴崎は、今季さらなる成長を見せる。

21歳の大島は縦パスの意識が明らかに変わった。中盤の底から常にゴールを見据えるようになったのだ。その視野に相手DFの裏へ絶妙なタイミングで抜け出す大久保嘉人、スピードのあるレナト、スペースへ走る小林悠というアタッカー陣をとらえる。168cmと小柄ながら、タイトな守備をものともしない卓越した技術でボールをキープする。大島の成長ぶりがそのまま川崎の攻撃力アップにつながっていると言える。

同じく4年目、21歳の柴崎は定位置を確保しすでに3年目である。持ち味であるピンポイントのロングパスは健在、今季は積極的な攻撃参加でシュートや決定的なラストパスも送る。シンプルに前線のダヴィに預けるもよし、トップ下の土居聖真、2列目の遠藤康にラストパスを放つもよし。シュートをイメージしたトラップと高いシュート技術を駆使し、自らフィニッシュを担うのもまたよしだ。柴崎はさらにスケールアップしている。

川崎は消化試合が1試合少ない状況で5勝3分3敗・勝点18の8位、鹿島は7勝5敗・勝点21の3位につける。川崎は5月7日に『ACL』ラウンド16を戦い、鹿島よりもインターバルが1日少ないビハインドがある。しかも、2-1のリードを守り切れず、残り10分でFCソウルに2-3と逆転負けを許した精神的ダメージも少なくない。鹿島は第11節で柏レイソルに0-1で敗れ、第12節も名古屋グランパスに1-2で敗戦を喫するなど、しぶとく引き分けに持ち込むアントラーズらしい粘りがないのが気になる。

この不安材料を払拭するか否かは、大島と柴崎であり、それぞれコンビを組む中村と小笠原にかかっている。精神的支柱であるベテランボランチとともに、ふたりの若きボランチがチームを勝利に導くために躍動する。川崎フロンターレ×鹿島アントラーズは、5月10日(土)・等々力陸上競技場でキックオフ。チケット発売中。