『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

レオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督が5度目のタッグを組んだ新作映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のブルーレイ&DVDが本日、発売になった。実在の株式ブローカーの膨大な回想録を、脚本家のテレンス・ウィンターはいかにまとめ、脚本化したのだろうか? 国際電話で話を聞いた。

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本作は、20代で証券会社を設立して億万長者になるも、証券詐欺の違法行為で逮捕された実在の株式ブローカー ジョーダン・ベルフォートの回顧録を映画化したもの。ディカプリオが“ウォール街のウルフ”ことジョーダンを演じている。

本作の脚本を手がけたウィンターは、人気ドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』や『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』などを手がけてきた気鋭の脚本家だが、本作では長い原作を180分の映画にまとめなければならなかった。「原作を読み、さらにまた再読しながら、“映画的瞬間”だと思ったシーンや出来事の数々、私が絶対的に映画の中で観たいと思った物の数々に丸をつけました。その後は、ジョーダンの人生における上昇、転落を語るために、ストーリーラインを見つけて、シーンを必然的な順序で並べることが肝心でしたね」。

結果としてジョーダンの人生は、世界で最も恐ろしいローラーコースターのように激しく上昇と加工を繰り返し、暴走し、回転し、レールが途切れる瞬間まで止まることがない。ディカプリオはそんなジョーダンを圧倒的なテンションで演じ、ジョナ・ヒルら共演者たちもディカプリオに負けじと狂乱の中に身を投じた。これまで多くの“億万長者”は富を独り占めしようとし、側近たちを切り捨てて最終的に破滅してきたが、本作に登場するジョーダンは、仲間と共に成りあがっていこうとする。ウィンターはその理由を「ジョーダンは根本的には非常に誠意ある人間だから」と分析する。「仲間がジョーダンを裏切って彼のことをFBIに明かしてしまったとき、ジョーダンは自らの誠意のせいで結果として失墜を招くことになったと思います」。

人をダマして、湯水のように浪費する悪人でありながら、仲間に誠実で結果としてそのせいで失墜してしまう男。本作は、単なる“成り上がり物語”でも“金融システムの悲劇”でもない唯一無比の物語を描き、高い評価を集めている。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
ブルーレイ+DVDセット(初回限定DVD特典ディスク付き)
発売中
4700円+税
発売・販売元:パラマウント・ジャパン
※ブルーレイ、DVDレンタル同時リリース

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