原口元気(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 原口元気(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

6月1日(日)・埼玉スタジアム2002でのゲームは、浦和レッズの背番号9・原口元気の壮行試合の様相を呈してきた。

「浦和レッズ対名古屋グランパス ナビスコカップ 予選リーグ」チケット情報

5月28日・山梨中銀スタジアムで行われた『ナビスコカップ』予選リーグ第6節・ヴァンフォーレ甲府戦を勝利で終え、決勝トーナメント進出を果たしたペトロヴィッチ監督は、こう語った。「我々は原口選手をいい形で送り出すためにも、いいゲームをして、勝利で彼を送り出したいし、ファンには素晴らしいゲームを観ていただきたい。先発の予告になるが、原口選手を起用することを考えています」

5月25日、原口元気のドイツ・ブンデスリーガのヘルタ・ベルリンへの完全移籍が発表された。中学から浦和ジュニアユースに所属し、17歳となった2008年には『ナビスコ杯』で公式戦デビューを果たすと、翌年の開幕戦でJリーグ初出場。翌月には17歳11ヵ月3日のクラブ日本人最年少ゴールを決め、そのままスタメンに定着した。昨季は初のふたケタゴールをマークし、今季からは9番を背負っていた。

決して順風満帆のサッカー人生ではない。2012年『ロンドン五輪』U-23日本代表メンバーから漏れた。今年5月『ブラジルW杯』を戦う23名のメンバーにも、原口の名前はなかった。スピードに乗ったドリブルで相手守備網を切り裂くアタッカーが渇望する、世界との戦いは今回もお預けとなった。

シーズン前のインタビューで原口に今季の目標を尋ねるとこう返答した。「1日1日を成長できるように集中していきたい」。また、こうも言った。「今までなら、ピッチ上でのプレーを見てほしいと言っていたけど、今年はピッチ内外をすべて見てほしい。発言から行動から、すべて」。チームの顔である背番号9の自覚が、原口の発言、そして考え方を成熟させたのだ。

レッズのユニフォームを着て戦うラストゲームは、奇しくも公式戦デビューの相手であり、リーグ戦初ゴールを決めた名古屋グランパスと対峙する。『ナビスコ杯』は2011年ニューヒーロー賞を受賞した縁のある大会でもある。原口はチームのため、そしてサポーターのためにゴールを誓う。

もちろん、対戦相手である名古屋に、敵のFWを送り出す気はさらさらない。名古屋はグループB3位につけ、決勝トーナメント進出を狙う。DF・田中マルクス闘莉王は出場停止となるが、『ロンドン五輪』で2得点を挙げ、U-23日本代表の4位進出に貢献した快足FW・永井謙佑がいる。

『ナビスコ杯』予選リーグ第7節・浦和レッズ×名古屋グランパスは6月1日(日)・埼玉スタジアム2002でキックオフ。チケット発売中。